Presentation Information
[II-OR13-05]Adaptive samplingを用いて早期診断したTNNI3Kミスセンス変異を伴う新生児心筋症の一例
○矢野 瑞貴1, 小川 陽介1,2,3, 中村 甫1, 河島 裕樹1, 西木 拓己1, 小澤 由衣1, 大森 紹玄1, 白神 一博1, 益田 瞳1, 犬塚 亮1 (1.東京大学医学部附属病院 小児科, 2.東京大学大学院 医学系研究科 小児科学, 3.東京大学大学院 医学系研究科 遺伝情報学)
Keywords:
新生児心筋症,遺伝子解析,TNNI3K
【背景】心不全を呈する新生児の鑑別疾患は心筋症のほか、先天性心疾患、心筋炎、代謝疾患、遺伝性不整脈など多岐にわたり、急性期は病因を特定できないままに治療を選択せざるを得ず、移植適応の判断も困難である。今回、Nanopore sequencerによるadaptive samplingを用いた遺伝子解析で1週間以内に遺伝学的診断を得た新生児心筋症の一例を経験したため、報告する。
【症例】症例は胎児期から三尖弁逆流を指摘されていた男児で、日齢4に心室頻拍による循環不全をきたし、当院に転院搬送された。電気的除細動を施行するも効果が乏しく、右房脱血/上行大動脈送血によるcentral ECMOを導入した。アミオダロンやランジオロール、デクスメデトミジンなどの投与により入院同日には頻脈のコントロールが得られたが、その後も心機能の回復は乏しく、頻脈に続発した心機能低下のみならず、何らかの心筋疾患の存在が疑われた。日齢7からadaptive samplingによる遺伝子解析を行い、日齢11にTNNI3K遺伝子のミスセンス変異が同定された。Sanger sequencingによるトリオ解析でde novoが確定し、ACMGガイドラインに則りlikely pathogenicと判定され、同変異による不整脈原性心筋症と診断した。本症例の救命には移植医療が必要と考えられたが体格等の問題から補助人工心臓装着が困難であり、日齢16に循環不全に続発する多臓器不全のため亡くなった。
【結語】従来の遺伝子解析は結果判明までに月単位の時間を要することが一般的であるが、adaptive samplingによって数日単位で遺伝学的病因を特定し得た。今後、同手法を用いた早期病因特定が急性期の適切な治療選択や移植医療の適応判断を検討する上での一助となる可能性が示唆された。
【症例】症例は胎児期から三尖弁逆流を指摘されていた男児で、日齢4に心室頻拍による循環不全をきたし、当院に転院搬送された。電気的除細動を施行するも効果が乏しく、右房脱血/上行大動脈送血によるcentral ECMOを導入した。アミオダロンやランジオロール、デクスメデトミジンなどの投与により入院同日には頻脈のコントロールが得られたが、その後も心機能の回復は乏しく、頻脈に続発した心機能低下のみならず、何らかの心筋疾患の存在が疑われた。日齢7からadaptive samplingによる遺伝子解析を行い、日齢11にTNNI3K遺伝子のミスセンス変異が同定された。Sanger sequencingによるトリオ解析でde novoが確定し、ACMGガイドラインに則りlikely pathogenicと判定され、同変異による不整脈原性心筋症と診断した。本症例の救命には移植医療が必要と考えられたが体格等の問題から補助人工心臓装着が困難であり、日齢16に循環不全に続発する多臓器不全のため亡くなった。
【結語】従来の遺伝子解析は結果判明までに月単位の時間を要することが一般的であるが、adaptive samplingによって数日単位で遺伝学的病因を特定し得た。今後、同手法を用いた早期病因特定が急性期の適切な治療選択や移植医療の適応判断を検討する上での一助となる可能性が示唆された。
