Presentation Information
[II-OR15-05]小児心臓術後横隔神経麻痺からの回復時間:単施設・後方視的観察研究
○田畑 雄一 (京都府立医科大学附属病院 集中治療部)
Keywords:
横隔神経麻痺,区間打ち切り,Turnbull estimate
【背景】横隔神経麻痺は小児心臓術後合併症の一つである。回復時期の推定に関する先行研究は区間打ち切り(interval censoring)を考慮しておらず、最後の異常日、初回の正常化確認日もしくはその中間点を回復時期と定義しており、回復時期を歪ませる可能性があった。【目的】区間打ち切りを考慮しTurnbull推定のノンパラメトリック最尤推定量を用いたより妥当な術後横隔神経麻痺回復時期の推定を行うこと。【方法】本研究は単施設・後方視的観察研究である。2014年1月1日から2024年12月31日までの期間に当院で小児心臓手術を受け、術後横隔神経麻痺と診断された全連続症例を対象とした。主要評価項目は横隔膜運動の回復までの時間、副次評価項目は1、2、3、6、12ヶ月における回復率。横隔膜運動の回復は定期的な画像評価によってのみ確認されるため、イベント時点は区間打ち切りとなる。本研究ではこれを適切に扱うため、Turnbull推定を主要解析として用いた。副次解析として先行研究との比較のため、「初回正常化確認日」、「最後の異常日」、「最後の異常日」と「初回正常日」の中点をイベント日とみなしたKaplanーMeier解析を行った。【結果】対象は92名。46日時点で50%が横隔膜運動回復、86日時点で75%が回復したと推定された。同様に、横隔膜運動回復は1ヶ月時点で14.5%、2ヶ月時点で62%、3ヶ月時点で76.3%、6ヶ月時点で84%、12ヶ月時点で88.8%と推定された。 【考察】単施設研究ゆえ結果の一般化には限界が残るが、区間打ち切りを考慮した回復時期推定が可能となった。【結論】小児心臓術後横隔神経麻痺患者において、術後46日時点で50%、6ヶ月時点で80%以上の横隔膜運動回復を認めた。多施設研究による一般化可能性の改善が必要である。
