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[II-OR16-06]Polyethylene glycol hydrogelによる術後心嚢癒着軽減効果の実験的評価: 中間水の関与

鈴木 昌代1, 小西 隼人1, 勝間田 敬弘1, 田中 有希子2, 山本 安希2, 黒澤 真希2, 田中 賢2, 根本 慎太郎1 (1.大阪医科薬科大学 医学部 外科学講座 胸部外科学教室, 2.九州大学 先導物質化学研究所)
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Keywords:

癒着,再手術,中間水

【背景・目的】再手術の頻度の高い先天性心疾患手術では、心嚢癒着を軽減する適切な心臓被覆材料の実用化が望まれている。生体親和性向上技術として“細胞やタンパク質接着を防止する中間水の高分子表面処理”の応用の有効性を我々は報告してきた。止血剤として上市済みの高分子材料であるpolyethylene glycol(PEG) hydrogelの心嚢癒着軽減効果を中間水の関与を含め実験的に検証した。【方法】(1)線維芽細胞増殖試験:増殖基板へのPEG hydrogel処理の有無による増殖細胞数を経時的に測定。(2)ビーグル犬外科的心嚢癒着誘導モデル:閉胸時の心表面PEG hydrogel散布の有無による術後3、6か月後の肉眼的癒着度と右心房側心嚢間隙の膠原繊維密度(画像解析ソフト使用)を評価。(3)PEG hydrogelの中間水保持能:水和サンプルの示差走査熱量測定。【結果】(1)細胞数(7日間培養):PEG hydrogel無8,595±4038/cm2、有1,417±487/cm2 (p<0.0001)。(2)PEG hydrogel 無(n=4)では強固な癒着による剥離時の心外膜損傷の発生あり、有(n=6)では心膜・心外膜間隙に薄い線維層が形成され癒着は軽度以下。術後6ヶ月の膠原繊維密度(grading:密3、中等2、疎1)の400倍視野面積内占有率は、密度3: PEG hydrogel無5.0±3.4%、有1.6±0.8%(NS)、密度2:無41.9±4.2%、有21.2±4.3% (p<0.001)、密度1:無53.1±4.7%、有77.7±4.8%(p<0.001)。(3)水和PEG hydrogelに中間水の存在を示すピークを検出。【結論】PEG hydrogelは心嚢内の膠原繊維増生を抑制する癒着軽減効果を示し、中間水の存在による線維芽細胞の接着・増殖抑制のメカニズムの存在が示唆された。