Presentation Information
[II-OR18-02]超聴診器による心室中隔欠損症の拡張期ランブルの周波数解析
○高橋 努1, 植田 由依2,3 (1.済生会宇都宮病院 小児科, 2.AMI株式会社, 3.千葉大学大学院 人工知能医学)
Keywords:
超聴診器,周波数解析,拡張期ランブル
【はじめに】VSDに伴う拡張期ランブルは、肺血流量増加による相対的MSに起因する。従来、低調な雑音として定性的評価が主であったが、AI聴診器である超聴診器(AMI-SSS01)により周波数帯域や出現タイミングを客観的に評価できる。拡張期ランブルの周波数帯域や経時的変化を検討した報告はない。【目的】超聴診器で記録した心音図を用い、1)VSDに伴う拡張期ランブルの周波数特性と経時的変化、2)ASDに伴う拡張期ランブル(相対的TS)の周波数特性を比較検討する。あわせて、出現時相から生成機序を考察する。【対象】1)VSD群:欠損孔径5mmで拡張期ランブルが聴取されるようになった乳児3例。肺血流増加に対し利尿薬内服下で、のべ9回心音図検査を施行し、2例で閉鎖術を行った。2)ASD群:欠損孔径7~18mmのASD患児10例。【結果】VSD群では、拡張期ランブルは初期に93~187Hzの低周波数帯から出現し、最大375Hzまで認めた。経過とともに全例で周波数帯域は拡大し、最大750Hzまでの高周波数成分が記録された。音量が十分で拡張期が長い場合、2音よりやや遅れて開始するのが典型であり、経過中には高周波数帯で1音直前に認める時期もあった。ASD群では10例中7例に拡張期ランブルが記録され、全例で375~750Hzの高周波数成分を認めた。【考察】拡張期ランブルは房室弁通過血流に起因し、一般に低調とされる。ASDに伴う相対的TSでは高調とされてきたが、本研究でも375~750Hzの高周波数帯まで記録され、従来の理解と一致した。今回、VSDに伴う相対的MSにおいても、肺血流量増加に伴い375~750Hzの高周波数成分が経時的に出現することが分かった。高周波数成分が2音後に遅れて出現する所見は肺血流増加の関与、1音直前に認める所見はさらに心房収縮の関与が示唆される。VSDでは僧帽弁形態が正常であり、房室弁通過血流の絶対的増加が音の高調化に寄与した可能性がある。
