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[II-OR19-03]長野市とこども病院の連携で始まる新しい胎児心エコースクリーニング事業について

瀧聞 浄宏1, 宮島 有果2, 武井 黄太1, 赤澤 陽平1, 米原 恒介1, 大日方 春香1, 沼田 隆佑1, 澁谷 悠馬1 (1.長野県立こども病院 循環器小児科, 2.長野市保健所)
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Keywords:

胎児心エコースクリーニング,レベルIスクリーニング,胎児心臓病

【背景】 重症先天性心疾患の出生前診断は,計画的治療介入による予後改善,早期母子分離の回避,家族の精神的・経済的負担の軽減,出生直後の緊急搬送に伴う状態悪化の回避,医療資源の適正化など,多大な利点がある。しかし,多くの施設で,現行の公費負担妊婦健診枠内での十分なスクリーニング時間の確保は難しく,産科医への技術支援や相談体制も不十分であるという課題があった。これらを克服すべく,長野市と長野県立こども病院が連携し,日本初となる自治体主導の胎児心エコースクリーニング事業を構築したため報告する。【事業概要】 本事業は,2026年10月の運用開始を目指し,長野市内の全分娩施設において,妊娠23~27週前後の妊婦を対象に実施する胎児心エコースクリーニングである。検査要件として,3VV,3VTV,カラードプラ法による肺静脈検出の描出を必須とする。事業の核は以下の3点である。行政による費用助成: 長野市単独予算により,対象者(年間約2,000名)の検査費用を助成し,検査障壁を低減させる。画像共有クラウドシステムの導入: 市内産科7施設と当院をクラウドで連結。(導入予算は市負担)超音波装置から簡易操作で動画をアップロード可能とし,画像共有を通じて遠隔での診断支援および精度管理を行う。教育・技術支援体制の確立: 当院小児循環器医による訪問ハンズオン研修に加え,既存の「Raise to 80」システムを用いたWEB研修を行い,地域産科医の技術向上と病診連携の強化を図る。【期待される効果】 重症先天性心疾患の救命率向上はもとより,医療経済的な効果も大きい。さらに,産科医療機関への支援は地域分娩体制の維持や,子育て世代の安心感醸成にも寄与すると考えられる。【結語】 本事業は,行政と高度専門医療機関が密接に連携し,地域全体で児の命を守る新たな周産期医療モデルである。今後は3年を目途に,検査数,画像共有相談件数,出生前診断率,医療費削減効果等を検証する。