Presentation Information
[II-P20-07]血流障害を来しチアノーゼを呈したgiant eustachian valveに対し手術を行なった新生児の一例
○上桝 仁志1, 清水 敬太1, 山崎 隼太郎1, 美野 陽一1, 橋田 祐一郎2 (1.鳥取大学 医学部 周産期・小児医学分野, 2.鳥取県立厚生病院 小児科)
Keywords:
下大静脈弁,チアノーゼ,新生児
【背景】Eustachian valveは、胎児期の右側静脈洞弁に由来するものであり、時に遺残する事がある。今回、血行動態に異常を来し手術介入を行なった新生児症例を経験した。【症例】日齢15男児。胎児診断なし。生直後に呼吸障害およびSpO2上昇不良を認め、mask CPAPを30分程度実施されていたがその後SpO2上昇あり正常新生児管理となっていた。日齢9より微熱あり前医紹介入院となり、炎症反応上昇は認めなかったがSpO2 80%台の酸素化不良を認めUCGで三尖弁異形成を疑われ、右室低形成、心房間での右左短絡を認めた。日齢15、精査目的に当院へ転院。UCGで拡張期に下大静脈から三尖弁を越えて右室内に到達する巨大な膜様構造物があり、収縮期には右心房内へ戻る様子が確認された。発生部位からeustachian valveと診断した。心房レベルで右左短絡を認めたためgiant eustachian valveが右室流入血流を阻害し、下大静脈血流を卵円孔へ誘導している事がチアノーゼの原因と考えられた。啼泣時、哺乳時にはSpO2 70%台への低下を認め、手術適応と判断し外科施設へ転院。日齢27、giant eustachian valve resection、卵円孔閉鎖術に至った。術後速やかにチアノーゼは改善し自宅退院、後遺症なく経過している。【考察】Eustachian valveの遺残はしばしば観察され、血栓症等のリスクとなると報告されているが、血行動態に異常を来たす程の大きな遺残は稀である。また、酸素化不良を来すeustachian valveであっても卵円孔の自然閉鎖に伴い改善が見込めるため経過観察のみで改善した報告もあるが、本症例に関してはチアノーゼが著しく手術介入を要した。【結論】新生児期のチアノーゼの鑑別診断としてgiant eustachian valveも考慮する必要があり、手術を要する場合がある。
