Presentation Information
[II-PD7-6]Fontan 循環成立困難、適応なしと判断された症例の外科的治療戦略
○小沼 武司1, 細谷 裕太1, 小嶋 愛1, 渋谷 悠馬2, 沼田 隆佑2, 米原 恒介2, 大日方 春香2, 赤澤 陽平2, 武井 黄太2, 瀧聞 浄宏2 (1.長野県立こども病院 心臓血管外科, 2.長野県立こども病院 循環器小児科)
Keywords:
Fontan,単心室,二心室修復
【背景】単心室循環に対するFontan手術は長期成績の改善に大きく寄与してきたが、解剖学的・生理学的制約によりFontan循環成立困難とされる症例は依然として一定数存在する。【目的】Fontan適応外と判断された症例の臨床背景と治療選択の妥当性と課題を明らかにする。【方法】2010~2025年に当院でFontan trackとしてBDGを施行し術後にFontan適応外と判断された症例を対象とした。適応除外理由、外科的治療、術後経過、合併症、予後を検討した。【結果】BDG を112例に行い、21trisomyの1例がFontan到達前に死亡。95例がFontan到達し7例が待機中である。Fontan到達したのち2例がtake downを行った。Fontan適応外と判断されたのは9例でそのうちNorwood術後が8例であった。除外理由は6例が肺動脈低形成で他に染色体異常、重度知的障害であった。残り1例は胆道閉鎖症による肝障害。外科的治療として、Norwood術後6例のうち3例に二心室conversionを行った(reverse DSO 1例、Yasui 1例)。3例にpulmonary septationを行い1例にFontan施行。1例がFontan待機中である。二心室修復した症例のPAIの推移は(158→193, reverse DSO: 70→184, Yasui: 155→260)、Fontan PAI 80→130であった。考察BDG術後の多くがFontanに到達したが、Fontan適応外はNorwood術後に多く、房室弁逆流や心室機能低下を理由にFontan非適応となった症例は認めず、肺動脈発育不良がFontan適応を規定する最も重要な因子であった。結論Fontan循環成立困難例においても、解剖学的背景に応じた外科的再構築により循環の安定化が期待できる症例が存在することが示された。また、Fontan到達後もPLEやFALDなどの重篤な合併症が問題となることから、IVCや肝静脈血流のみを残存心室へ還流させ、Fontan循環から部分的に分離することも選択肢と考えられる。
