Presentation Information
[II-PD8-6]小児循環器疾患に合併するリンパ流障害の診断と集学的治療
○加藤 基 (鹿児島大学 形成外科)
Keywords:
リンパ管吻合術,乳び胸,LVA
小児循環器疾患に合併するリンパ流障害は、乳び胸水、乳び腹水、蛋白漏出性胃腸症、など多彩な病態として現れ、しばしば治療に難渋する。とくに先天性心疾患術後やFontan循環に関連する症例では、静脈圧上昇、リンパ管発生異常、術後変化などが複合的に関与し、病態の把握と治療方針の決定には多角的な視点が求められる。
演者は2015年より、本領域におけるリンパ静脈吻合術(LVA)に積極的に取り組んできた。当初は診断方法や治療適応も手探りであったが、集中治療室で我が子を見守る親御さんたちの後ろ姿が忘れられない。その思いを原動力に、リンパ管造影、MR lymphangiography、dynamic contrast MR lymphangiographyなど診断・治療体系の発展とともに吻合技術にも改善を重ね、病態理解や治療方法は大きく前進してきた。近年では欧米からの報告に続き、本邦でも複数施設からLVAやInterventional Radiology(IVR)による成功事例が報告され、治療経験が蓄積されつつある。IVRは異常リンパ流や漏出経路を「詰める治療」として、LVAはうっ滞したリンパ流を静脈系へ逃がす「流す治療」として位置づけられ、両者は病態に応じて組み合わせるべき相補的な選択肢と考えられる。現在は単に治療を行う段階から、どのリンパ流を遮断し、どの流れを温存し、どこに新たな流出路を作るべきかを個別に設計する段階へ移行しつつある。また、治療効果は胸腹水量やドレーン排液量の減少だけでなく、栄養状態、血清蛋白値、呼吸状態、心循環への影響などを含めて評価する必要がある。
本講演では、これまでの経験をもとに、リンパ流障害の診断、LVAの技術と方法論、IVRや胸管結紮などとの役割分担、今後の治療戦略について概説する。いまだに結論が明確に出ない領域であるが、選択肢は増え病態理解は進むなかで、新たな道が見えそうにも感じる。最前線で診療にあたる先生方にとって、新たな気づきと治療連携の契機となる議論の場としたい。
演者は2015年より、本領域におけるリンパ静脈吻合術(LVA)に積極的に取り組んできた。当初は診断方法や治療適応も手探りであったが、集中治療室で我が子を見守る親御さんたちの後ろ姿が忘れられない。その思いを原動力に、リンパ管造影、MR lymphangiography、dynamic contrast MR lymphangiographyなど診断・治療体系の発展とともに吻合技術にも改善を重ね、病態理解や治療方法は大きく前進してきた。近年では欧米からの報告に続き、本邦でも複数施設からLVAやInterventional Radiology(IVR)による成功事例が報告され、治療経験が蓄積されつつある。IVRは異常リンパ流や漏出経路を「詰める治療」として、LVAはうっ滞したリンパ流を静脈系へ逃がす「流す治療」として位置づけられ、両者は病態に応じて組み合わせるべき相補的な選択肢と考えられる。現在は単に治療を行う段階から、どのリンパ流を遮断し、どの流れを温存し、どこに新たな流出路を作るべきかを個別に設計する段階へ移行しつつある。また、治療効果は胸腹水量やドレーン排液量の減少だけでなく、栄養状態、血清蛋白値、呼吸状態、心循環への影響などを含めて評価する必要がある。
本講演では、これまでの経験をもとに、リンパ流障害の診断、LVAの技術と方法論、IVRや胸管結紮などとの役割分担、今後の治療戦略について概説する。いまだに結論が明確に出ない領域であるが、選択肢は増え病態理解は進むなかで、新たな道が見えそうにも感じる。最前線で診療にあたる先生方にとって、新たな気づきと治療連携の契機となる議論の場としたい。
