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[II-SY6-5]小児心不全外科治療における新たな選択肢としてのBridge to Recovery LVADの研究基盤構築に向けた取り組み ー 臨床起点のリバーストランスレーショナルリサーチ ー
○久呉 洋介1, 小森 元貴1, 木戸 高志1, 加藤 温子2, 石井 良2, 石田 秀和2, 成田 淳2, 上野 高義1, 宮川 繁1 (1.大阪大学大学院 医学系研究科 心臓血管外科学, 2.大阪大学大学院 医学系研究科 小児科学)
Keywords:
Bridge to Recovery,Left Ventricular Assist device,Dilated Cardiomyopaathy
【背景・目的】小児への心移植では、体外式左室補助人工心臓(LVAD)装着下での長期待機や移植後合併症リスクの長期累積など多くの課題を抱える。近年、心移植の主要原因疾患である拡張型心筋症(DCM)において、LVAD装着後に左室機能が回復し、LVAD離脱に至る症例が報告されている。この「Bridge to Recovery LVAD」は、新たな心不全治療法となる可能性をもつが、その機序は不明であり、左室機能回復は一部症例のみに観察される。本研究ではLVAD離脱に至る特異なDCMサブグループの生物学的特徴を明らかにし、その特徴を誘導・再現するための治療標的の創出を目指す。【方法】LVAD離脱という稀少な症例から得られた心筋組織解析を起点に、reverse translational researchを行う。LVAD離脱に至った症例の左室心筋を用い、bulk/single nucleus (sn) RNA/ATAC-seqおよび全ゲノム解析(WGS)を実施し、機能回復に関連する遺伝子発現変動や分子機構、遺伝子変異を網羅的に探索した。さらに臨床データから多角的に仮説を生成し、in vitroおよびin vivo実験系で検証を行う。【結果】これまで6例(LVAD離脱例3例、非離脱例3例)のsnRNA/ATAC-seq解析から、NPPB、MYL7、PCDHsなどの発現変動を確認した。特にNPPBに着目した組織学的検証では、BNP産生および抗アポトーシス作用が左室機能回復に関与する可能性を示した。また、WGSとbulk RNA-seqを用いたallelic imbalance解析から、細胞接着分子Protocadherin subfamilyに関連する遺伝子変異などが抽出された。【考察】上記結果の検証のため、in vitro細胞実験系、DCMモデルマウスを用いたisolated heart systemによる容量負荷・軽減モデル構築を進めている。臨床起点の多層オミクス解析、外科診療視点からの仮説生成、病態モデル検証を迅速に循環させることで、従来回復が困難であった症例にも心機能改善を誘導する「Bridge to Recovery LVAD」の研究基盤構築を目指す。

