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[II-TPAL-3]川崎病冠動脈瘤後遺症を有する女性患者の妊娠・出産に関する心理社会的課題

小林 しのぶ1, 三好 しのぶ2, 帯包 エリカ3, 上野 健太郎4, 小林 徹5 (1.京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 予防医療学分野, 2.国立成育医療研究センター 政策科学研究部, 3.国立成育医療研究センター 社会医学研究部, 4.鹿児島大学病院 小児科, 5.横浜市立大学 発生成育小児医療学)
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Keywords:

川崎病,移行支援,妊娠・出産

【背景】川崎病冠動脈瘤後遺症を有する女性患者では妊娠・出産時のリスクが指摘されており、妊娠前からの継続的な医療・心理社会的支援が必要とされる。しかし、女性の川崎病既往者が抱える課題に関する実態調査は乏しく、妊娠・出産を経験した既往者の心理社会的困難は十分に明らかにされていない。
【目的】本研究は、川崎病冠動脈瘤後遺症を有する女性患者が抱く妊娠・出産に関する認識および心理社会的困難を、当事者の語りから明らかにすることを目的とした。
【方法】研究者らが実施した川崎病既往者対象のアンケート調査回答者および「川崎病の子供をもつ親の会」等の協力を得て、川崎病冠動脈瘤後遺症を有する女性患者6名をリクルートした。2025年9月から11月に半構造化面接を実施し、得られたデータを再帰的テーマ分析の手法を用いて分析した。
【結果】対象者は27歳から51歳の女性で、うち5名が妊娠・出産を経験していた。分析の結果、18のサブテーマと4つの主要テーマが生成された。【医療の途切れによる不安増幅と継続性への希求】では、移行医療の断絶が不安を増幅させる一方で、継続的ケアへの希求が示された。【妊娠・出産を契機としたリスク認識の個人化】では、妊娠および産科医療機関選択の困難を経験することで、初めてリスクを当事者として認識していた。【抗血栓療法と女性特有の健康課題との両立困難感】では、治療薬が日常生活に影響し、治療継続との葛藤を生じさせていた。【"見えない病気"がもたらす社会的孤立と情報格差】では、症状・病態の不可視性と疾患の希少性により、社会的孤立と情報格差が認められた。
【結論】川崎病冠動脈瘤後遺症を有する女性患者は、妊娠・出産に関する情報が極めて乏しく、出産への不安・困難感の増大を経験していた。適切な時期における患者教育、および産科医療との安全・安心な連携体制の構築などの支援の必要性が示唆された。