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[III-CPD3-1]術後肺静脈狭窄に対する包括的治療戦略

藤野 光洋 (大阪市立総合医療センター)
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Keywords:

術後肺静脈狭窄,包括的治療戦略,筋線維芽細胞

総肺静脈還流異常(TAPVC)修復術後の肺静脈狭窄(PVO)の発生率は15-21%に及び 、PVO合併例の予後は不良とされる。TAPVCに限らず術後PVOの克服には、外科治療、カテーテル治療、そして生物学的知見に基づく薬物療法をいかに統合し、個々の症例に最適化するかという「包括的治療戦略」が不可欠である。PVOに対する積極的かつ反復的な再介入は予後改善に直結することが示されている。物理的解除を担う外科的修復においては、Sutureless法が吻合部への直接縫合を避けることで、新生内膜増殖プロセスを理論的に回避し得る点で優れている。また、カテーテル治療は低侵襲な物理的拡張手段として重要であるが、バルーン拡張術後の再狭窄や高率なステント内狭窄が依然として大きな課題である。特筆すべきは、PVOの本態がTGF-βシグナル亢進による内皮間葉移行(Endothelial to mesenchymal transition)、およびmTOR経路を介した筋線維芽細胞の過剰増殖という生物学的プロセスにある点である。外科治療やカテーテル治療による機械的刺激自体がさらなる内膜増殖を誘発する可能性を考慮すると、筋線維芽細胞に対する抗増殖療法の併用が鍵となる。近年、mTOR阻害薬をはじめとした薬物療法の併用による生存率の改善や病変進行の緩和が報告されており、これら新しい治療方法を一連の治療過程の中でどのように組み込むかも難治性PVO治療の成否を分けると考える。この発表では、自験例の臨床経過と最新の知見を照らし合わせて、PVOに対する最善の治療方針について議論を深める一助としたい。