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[III-PD10-5]当院における在胎22週未満の胎児心臓病診断の実情と今後の役割
○今岡 のり, 益海 英樹, 西 孝輔, 丸谷 伶, 稲村 昇 (近畿大学 医学部 小児科学教室)
Keywords:
胎児心臓病,出生前診断,人工妊娠中絶
【背景】エコー機器の進歩に伴いより早期の胎児心臓病診断が可能となり、正確かつ繊細な対応が求められる。【目的】 当院胎児心臓病外来で診断した在胎22週未満の先天性心疾患(CHD)合併胎児の現状の傾向を明らかにし、妊娠早期の出生前診断の現場で小児循環器医として更にどのような役割を担えるかを検討すること。【方法】 2016年9月から2025年12月までに当院で胎児心エコーを施行した在胎22週未満の胎児の診療録を後方視的に検討しCHD胎児の紹介施設、週数、診断、転機を明らかにし、さらに転機をFontan candidateとそれ以外で分けて検討した。【結果】胎児心エコー総数は1864例、在胎22週未満は271例(14.5%)で在胎週数は15週から21週、中央値は19週だった。271例中、CHD症例118例(43.5%)、生後1か月以内に治療を要する重症CHD症例101例(37.3%)だった。CHD症例の紹介元施設は胎児ドック103例(87.3%)、一般産科施設15例(12.7%)、転機は人工妊娠中絶35例(29.7%)で内34例が重症CHD、妊娠継続74例(62.7%)、子宮内胎児死亡2例、経過不明7例だった。重症CHD症例の内Fontan candidate46例(45.5%)、biventricular repair55例(54.5%)で人工妊娠中絶例はFontan17例(37.0%)、biventricular18例(32.7%)だった。【考察】当院は胎児ドック紹介例が多く、ご家族の出生前診断の関心が高くFontan candidateは複数回の手術や術後合併症の懸念から、人工妊娠中絶例が多いと予測したが結果は同等であった。今回の結果からも胎児心臓病をより早期かつ正確に診断することで、小児循環器医の立場から出生後の経過や治療、予後説明を複数回行うことの重要性が改めて示唆された。両親各々の意思を表出できる環境を整え、寄り添い、コミュニケーションを重ね、意思決定を尊重しつつ、より多くのCHD胎児を出生へと繋げられるかがこれからの課題である。
