The 73rd Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

The 73rd Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

Aug 30 - Dec 1, 2023Doshisha University
The Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences
The 73rd Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

The 73rd Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

Aug 30 - Dec 1, 2023Doshisha University

[スポーツ文化-SB-3]Male students and female students learning together in physical education classes of junior high school and high school

*Tomoyasu Kondoh1(1. Nippon Sport Science University)
<演者略歴>
日本体育大学児童スポーツ教育学部教授。日本スポーツ教育学会理事長。(公財)日本学校体育研究連合会理事。筑波大学大学院人間総合科学研究科体育科学専攻博士課程修了 博士(体育科学)。白鴎大学を経て現職。専門は体育科教育学、スポーツ教育学。
現行の中学校学習指導要領解説保健体育編では、「体力や技能の程度及び性別の違い等にかかわらず、仲間とともに学ぶ体験は、生涯にわたる豊かなスポーツライフの実現に向けた重要な学習の機会であることから、原則として男女共習で学習を行うことが求められる」(文部科学省,2018)といった記載があり、男女が同じ場で共に学ぶことを強く推奨している。こうした施策の背景には、共生社会の実現やジェンダーの問題等の現代的な課題がある。しかし、長年、学校現場で男女別習を展開してきた保健体育教師たちの間には、この施策に対する賛否が見られており、批判的な声も少なくない。男女が共に学ぶことについては、その意義を理解しつつも、体力や運動能力の差異、、安全性、動機づけ等の生徒の資質・能力の視点から批判的な見解を持つ教師も多い。また、生徒の男女比率や教師側の指導の不慣れ等の組織・運営上の視点、さらには、教師自身が男女共習の授業経験を生徒としてしてきたかなど、教師の経験の視点もあり、様々な議論が展開されている。
 こうした論議を踏まえ、今回のシンポジウムでは、以下の三つの話題に触れたいと考えている。
一つ目は、学びの保証の視点である。男女が共に学ぶことを想定した場合、男女を別習とするのか共習とするのか、といった組織の問題のみならず、生徒にとってどのような学びをもたらすか、個々の生徒の学びはどう保証されるものか、という視点からも議論が必要であると考える。その際、包摂性(Inclusion)、公正性(Equity)という視点も踏まえて検討をしていく。二つ目は、我が国の体育授業におけるジェンダー問題についてOECDが発行した報告書の内容について触れる。三つ目は、可能であれば所属先大学の授業の取り組みについて触れる。