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オンデマンドシンポジウム3:出生コホート連携が拓く公衆衛生の新展開

田中 笑子(武蔵野大学 看護学部),森崎 菜穂(国立成育医療研究センター 女性の健康政策研究部)
出生コホート研究は、胎児期から小児期における環境や生活、社会的要因と、その後の健康や発達との関連を明らかにし、疾病予防や健康支援に重要な知見を蓄積してきた。近年では、複数の出生コホートが連携する基盤が構築され、各コホートで得られた知見を共有・統合する取り組みが進んでいる。個々のコホートの成果を超えた連携によって、知見の再現性や一般化可能性を高め、新たな健康課題を明らかにすることが可能になる。さらに、こうした連携基盤を持続的に発展させ、そこで得られた知を公衆衛生や成育医療、地域・社会の健康支援へどのように還元していくかも、今後の重要な課題である。

 本シンポジウムでは、これまでの出生コホート連携の歩みと成果を概観し、まず、出生コホートから得られた知見を、小児肥満や妊娠高血圧症候群などのリスク予測ツールの開発、健診・母子保健の場での活用、早期支援へどのようにつなげていくかを考える。次に、複数コホートの統合メタ解析を通じて、個々のコホートで得られた知見の再現性や一般化可能性をどのように高めていくことができるのかを議論する。さらに、大規模ゲノム基盤の構築が進む中で、出生コホートが果たし得る役割と今後の可能性について展望する。

 紛争や災害など、継続的なデータ収集そのものが困難となる状況では、新たな出生コホートの構築や維持は容易ではない。一方で、これまで蓄積されてきた出生コホート研究の知見を、データが限られる状況における健康課題の把握や支援に活用できる可能性もある。

 今後は、出生コホート連携によって蓄積された知を研究の中にとどめず、個々のコホートを超えた共有・統合基盤として発展させるとともに、その成果をリスク予測や早期支援、母子保健・健診、成育医療など、人々が実際に健康支援を受ける場へと還元していくことが求められる。さらに、多世代データ、ゲノム・オミックス情報、AI等の新たな解析技術を取り込みながら、地域や社会の変化にも対応し、人々の生涯にわたる健康を支える持続可能な公衆衛生基盤として、出生コホート連携をどのように発展させていくか。本シンポジウムが、研究者、医療職、保健職、行政など多様な立場から、その可能性をともに考える機会となることを期待する。

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[ODSY3-1]出生コホート連携の現状と公衆衛生への展開

*目時 弘仁 (東北医科薬科大学医学部衛生学・公衆衛生学教室)

[ODSY3-2]統合メタアナリシスに基づく出生コホート研究の一般化可能性

*岩田 啓芳, 大場 健裕, 田村 菜穂美, 岸 玲子 (北海道大学 環境健康科学研究教育センター)

[ODSY3-3]100万人ゲノム基盤と出生コホートの役割と可能性について

*松田 浩一1,2 (1.東京大学大学院新領域創成科学研究科, 2.東京大学医科学研究所)

[ODSY3-4]TBD

*藤屋 リカ (慶應義塾大学 看護医療学部)