Session Details
オンデマンドシンポジウム5:【日本ヘルスコミュニケーション学会・日本公衆衛生学会共催】AI・SNS時代の公衆衛生:成果を社会に届けるために私たちは何をすべきか
高橋 秀人(筑波大学 医学医療系),伊藤 ゆり(神戸大学大学院医学系研究科)
生成AIとSNSの普及により, 私たちを取り巻く情報環境は大きく変わりました. 科学的根拠のある情報と誤情報が同じ画面に並び, 人々は「情報が少なすぎて困る」時代から「情報が多すぎて困る」時代を生きています. 公衆衛生の成果は, 公表された時点で社会に届いたことにはなりません. 市民, 行政, メディアに伝わり, 行動や施策に結びついて初めて意味を持ちます. 発信力は, 研究者だけでなく行政, 現場, 学会を含む公衆衛生関係者全員の基本能力です. 本シンポジウムは, この認識を出発点といたします.
議論は, 行政の現場からの問いかけで始まります. 住民の健康と安全を守るために広報を発出するとき, 「多すぎず, 少なすぎず」「詳しすぎず, 簡単すぎず」「厳格すぎず, 親しみすぎず」といった二項対立の狭間でジレンマが生じます. 正確さ, わかりやすさ, 迅速さの3要件は, 同時に満たすことは困難です. この現場の「モヤモヤ」に対し, 4名の演者がそれぞれの立場から応えます.
メディアの立場からは, 良かれと思って発した情報がなぜ反発を招くのか, 受け手の情報環境と認知の仕組みから解き明かします. 発信の実践の立場からは, 正論やエビデンスを示すだけでは届かない層に何が有効か, 受け手に寄り添った表現の設計と媒体の選び方を, 実践から示します. 研究と教育の立場からは, 「わかりやすさ」を個人の才覚ではなく設計可能なものとして扱うために開発された手引きと, 大規模言語モデルを用いた改訂, ワークショップによる教育の成果を報告します. ヘルスコミュニケーション学の立場からは, 発信から行動変容, 健康アウトカムに至るプロセスをどう評価するかを整理し, 現場の工夫を検証可能な形に翻訳する道筋を示します.
総合討論では, SNSとAIを分けて論じます. SNSでは, 好みに合う情報ばかりが届き, 意見の分断が起きやすくなっています. AIは, 一人ひとりに寄り添うように答えるため, その内容が過度に信頼されやすいという特徴があります. こうした違いを踏まえ, 個人の熱意や持ち出しに依存してきた発信を, 評価され支えられる活動へとどう育てるかを考えたいと思います.
視聴された皆様が, 明日からの一歩を見つけてくださることを願っております.
議論は, 行政の現場からの問いかけで始まります. 住民の健康と安全を守るために広報を発出するとき, 「多すぎず, 少なすぎず」「詳しすぎず, 簡単すぎず」「厳格すぎず, 親しみすぎず」といった二項対立の狭間でジレンマが生じます. 正確さ, わかりやすさ, 迅速さの3要件は, 同時に満たすことは困難です. この現場の「モヤモヤ」に対し, 4名の演者がそれぞれの立場から応えます.
メディアの立場からは, 良かれと思って発した情報がなぜ反発を招くのか, 受け手の情報環境と認知の仕組みから解き明かします. 発信の実践の立場からは, 正論やエビデンスを示すだけでは届かない層に何が有効か, 受け手に寄り添った表現の設計と媒体の選び方を, 実践から示します. 研究と教育の立場からは, 「わかりやすさ」を個人の才覚ではなく設計可能なものとして扱うために開発された手引きと, 大規模言語モデルを用いた改訂, ワークショップによる教育の成果を報告します. ヘルスコミュニケーション学の立場からは, 発信から行動変容, 健康アウトカムに至るプロセスをどう評価するかを整理し, 現場の工夫を検証可能な形に翻訳する道筋を示します.
総合討論では, SNSとAIを分けて論じます. SNSでは, 好みに合う情報ばかりが届き, 意見の分断が起きやすくなっています. AIは, 一人ひとりに寄り添うように答えるため, その内容が過度に信頼されやすいという特徴があります. こうした違いを踏まえ, 個人の熱意や持ち出しに依存してきた発信を, 評価され支えられる活動へとどう育てるかを考えたいと思います.
視聴された皆様が, 明日からの一歩を見つけてくださることを願っております.
Password required to view
[ODSY5-1]公共広報にふさわしい情報発信とは―二項対立の狭間の「モヤモヤ」をどうする?
*平本 恵子 (広島県西部保健所)
[ODSY5-2]インフォデミック時代の科学の『伝え方』〜炎上せず, ちゃんと『伝わる』方法とは〜
*市川 衛 (武蔵大学社会学部)
[ODSY5-3]健康情報を届ける技術—Podcastを活用した社会とのコミュニケーション
*林 英恵1,2,3 (1.Down to Earth株式会社, 2.一般社団法人Down to Earth BEYOND HEALTH INSTITUTE, 3.慶應義塾大学グローバルインスティチュート)
[ODSY5-4]「わかりやすく伝える」は設計できるか~手引き開発と全国 26 回のワークショップから
*山田 恵子1,2 (1.東京都立大学, 2.東大病院)
[ODSY5-5]公衆衛生の情報発信を“研究”する:ヘルスコミュニケーション学の視点から
*石川 ひろの (帝京大学院公衆衛生学研究科)
