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[SY15]シンポジウム15_身体醜形症について精神科医が知るべきこと

Thu. Jun 19, 2025 10:45 AM - 12:45 PM JST
Thu. Jun 19, 2025 1:45 AM - 3:45 AM UTC
E会場(神戸国際会議場 4階 402会議室)
司会:原井 宏明(原井クリニック)
メインコーディネーター:原井 宏明(原井クリニック)
ICD-10、DSM-5において身体醜形性が強迫関連症の一つに位置づけられたように、身体醜形症(以下BDD)の診断と治療はこの10年間で大きな変化を経験している。また最近、NHKも10代における美容整形の問題をとりあげるなど、BDDの問題の一部は社会問題化している。
一方、過去の学会発表を検索する限り、本学会におけるBDDへの関心は極めて低い。
118回大会でポスター2件「逆境体験と幻聴を伴う醜形恐怖症の思春期女児の1例」「多彩な精神症状を呈し診断に難渋した醜形恐怖を伴う思春期うつ病の一例」
119回大会でポスター1件「精神病症状を呈し診断に難渋した醜形恐怖症の一例」
120回大会では0であった。
さらに精神神経学雑誌109巻以降を検索すると、18件あるが、すべて診断分類についての総説であり、症例報告を含めて身体醜形症をメインテーマにして扱った論文はなかった。
精神医学にとってBDDは昔から知られ、最新の診断基準にも載っているある程度の知名度がある精神疾患である。美容外科・皮膚科、審美・矯正歯科など他の診療科との深い関わりがあり、リエゾン精神科医にとっては逃げて通れないものでもある。一方、精神疾患全体の中での位置づけはいわば国を持たない難民状態におかれており、右往左往している。精神科医を含めて、医師が美醜の訴えがある患者に遭遇して、この診断を疑ったとき、学会に参加しても論文を探しても参考になる情報が得られない状態になっている。
このシンポジウムは身体醜形症について、この領域を専門にする精神科医と一般の精神科医、患者が精神科よりも先に訪れることが多い美容外科医、そして当事者があつまり、お互いの経験を共有しながら、診断と対応、今後の啓発について話し合うものである。このシンポジウムに参加することによって、精神科臨床の中で盲点になっている領域に気づき、埋めることができるだろう。

[SY15-2]身体醜形症 メンタルクリニックの立場から

原井 宏明1,2,3 (1.原井クリニック, 2.㈱原井コンサルティング&トレーニング, 3.ハワイ大学精神科)

[SY15-3]身体醜形症~美容外科医の立場から考える~

原岡 剛一 (神戸大学大学院医学研究科形成外科学)

[SY15-4]身体醜形症:その基本的な理解

松﨑 朝樹 (筑波大学医学医療系臨床医学域精神医学)

[SY15-5]身体醜形症(BDD)患者の受療行動に関する現状と課題

松永 寿人 (兵庫医科大学精神科神経科学講座)