Session Details

[SY18]シンポジウム18_口腔領域の難治性疼痛に対し精神科医は何をすべきか?―精神療法と薬物療法を中心に

Thu. Jun 19, 2025 6:00 PM - 8:00 PM JST
Thu. Jun 19, 2025 9:00 AM - 11:00 AM UTC
E会場(神戸国際会議場 4階 402会議室)
司会:宮岡 等(北里大学)、宮地 英雄(こころのホスピタル町田)
メインコーディネーター:宮地 英雄(こころのホスピタル町田)
サブコーディネーター:宮岡 等(北里大学)、名越 泰秀(京都第一赤十字病院精神科(心療内科))
原因のはっきりしない口腔領域の身体症状に関して患者を紹介された時、多くの精神科医は積極性に関わっていないのが実情である。結果的に歯科口腔外科医や内科医、耳鼻咽喉科医から、「どのように連携して良いのか分からない」「紹介しても意味がない」、と未だに指摘される。このような背景のもと,第116回学術集会でシンポジウム「精神科医からみた口腔領域の身体症状―難しく避けられがちな病態に立ち向かう―」を企画し、多くの参加者があり反響があった。それを引き継ぐ形で、第119回の学術集会のシンポジウムにおいては、この領域の疼痛に精通した歯科医師に登壇いただき、歯科医と精神科医が直接討論することで、口腔領域の難治性疼痛が、より立体的に理解された。更に前回第120回の学術集会でのシンポジウムでは、Case reviewを通じて、難治性疼痛への理解と、連携の実践的な進め方などをテーマに深く掘り下げていった。毎回活発な討論と多くの質問があり、この分野の関心の深さが改めて確認されたが、前回のシンポジウムにおいて多く質問されたのは、「実際に口腔領域の難治性疼痛を持つ患者を前にした時、具体的にどのように対応したらよいのか」ということであり、特に、精神療法的アプローチと薬物療法の問題への質問が多かった。また「患者が転居した際に、紹介する先がない」などの意見があり、病態や対応の理解を、早急に全国的に広める必要があると感じた。
精神科医の「難治性疼痛」への理解と対応を考えることは、まさしく今回の大会のメインテーマ「精神神経科学の充実・発展のために取り組むべきこと」である。そこで我々は、「口腔領域の難治性疼痛に立ち向かう」というここまで継続していた大きなテーマの中で、前回までの課題についての討論を是非行いたいとの考えで、今回のシンポジウムを企画した。
本シンポジウムでは,前回と同様歯科医に参加していただき、前回までに課題となっていた口腔領域の難治性疼痛に対しての、精神療法的アプローチ:支持的精神療法や認知行動療法と、薬物療法を中心に議論を展開する。本シンポジウムにより、精神科医が口腔領域の疼痛に関わることができるようになるものと考える。さらには,本シンポジウムでの歯科医師との「連携」をモデルにすることで、「精神科医は医療全体に、どのように「連携」を進めていくべきなのか」、を総合的に考えていくことも可能であると考える。

[SY18-1]歯科医師との連携:歯科医師に何をどう伝えるか

宮地 英雄 (こころのホスピタル町田)

[SY18-2]口腔領域の難治性疼痛治療の現状と精神科との連携を考える ~歯科医師の立場から~

村岡 渡 (川崎市立井田病院歯科口腔外科)

[SY18-3]口腔領域の難治性疼痛に対する精神療法の重要性 -舌痛症を中心に-

吉野 敦雄1,2 (1.広島大学保健管理センター, 2.広島大学脳・こころ・感性科学研究センター)

[SY18-4]口腔領域の難治性疼痛に対する精神科薬物療法―身体症状症の治療を中心に

名越 泰秀 (京都第一赤十字病院精神科(心療内科))