Session Details
[SY33]シンポジウム33_発達過程における未分化な状態像をいかに捉え、治療するか
Thu. Jun 19, 2025 6:00 PM - 8:00 PM JST
Thu. Jun 19, 2025 9:00 AM - 11:00 AM UTC
Thu. Jun 19, 2025 9:00 AM - 11:00 AM UTC
K会場(神戸ポートピアホテル 本館 B1階 偕楽1)
司会:岡田 俊(奈良県立医科大学精神医学講座)、小平 雅基(総合母子保健センター愛育クリニック)
メインコーディネーター:小平 雅基(総合母子保健センター愛育クリニック)
サブコーディネーター:岡田 俊(奈良県立医科大学精神医学講座)
メインコーディネーター:小平 雅基(総合母子保健センター愛育クリニック)
サブコーディネーター:岡田 俊(奈良県立医科大学精神医学講座)
発達過程に出現する状態像は、反応性の色彩を有していたり、精神疾患としての分化に乏しいため、その診断や治療が困難が少なくない。例えば、青年期のうつ病は、抑うつ気分より焦燥が前景に立ち、しばしば抗うつ薬で自殺関連事象が出現することからも双極性要素を持ち合わせることが指摘されてきたが、青年期の双極症は、明確な躁病エピソード、抑うつエピソードの診断を満たさず、短期間で気分が変動し、不機嫌が前景にたつ。また、児童思春期には正常発達においても精神病様症状が高頻度に認められ、特に自閉スペクトラム症では高率に反応性に精神病症状を伴う。これらとアットリスク精神病状態/減弱精神病症候群の境界は曖昧である。さらに、生来的な固執性が気づくと摂食障害の診断基準に合致するような病態へと移行している場合も散見される。一方で、逆境的小児期体験がある児童では解離が頻繁であるが、不適応状況に置かれた児童、特に自閉スペクトラム症の児童では、ファンタジーへの没入が顕著になることは既知の事実である。また、アタッチメントに課題のある児童では情動のコントロールが低下することが知られているが、それはアタッチメント障害のリスクファクターとなる注意欠如多動症でも認めうる。
こうしたみたてが重要となるのは、そのみたてによって介入方針が異なるからであるが、現実には治療経過の中でみなおしを図りながら進めているというのが現状である。しかし一方で、疾患相互に共通する病態像を吟味し直すことは、分化を促進する要因の解明へとつながるものとも考える。本シンポジウムでは、臨床精神病理の視点からそのような解明の糸口をつかむ機会とする。
内容としては、①「焦燥を伴う抑うつ/ 気分変動」として岡田俊、②「反応性の色彩を有する幻覚・妄想」として藤田純一、③「神経発達症における回避・制限性食物摂取症」として鈴木太、④「アタッチメントや衝動性の課題と情動調節障害」として今村明、⑤「逆境的小児期体験とファンタジー/解離」として小平雅基と計画している。
こうしたみたてが重要となるのは、そのみたてによって介入方針が異なるからであるが、現実には治療経過の中でみなおしを図りながら進めているというのが現状である。しかし一方で、疾患相互に共通する病態像を吟味し直すことは、分化を促進する要因の解明へとつながるものとも考える。本シンポジウムでは、臨床精神病理の視点からそのような解明の糸口をつかむ機会とする。
内容としては、①「焦燥を伴う抑うつ/ 気分変動」として岡田俊、②「反応性の色彩を有する幻覚・妄想」として藤田純一、③「神経発達症における回避・制限性食物摂取症」として鈴木太、④「アタッチメントや衝動性の課題と情動調節障害」として今村明、⑤「逆境的小児期体験とファンタジー/解離」として小平雅基と計画している。
[SY33-1]発達期にみられる焦燥を伴う抑うつ、気分変動
○岡田 俊 (奈良県立医科大学精神医学講座)
[SY33-2]発達過程における未分化な精神病様症状の理解と支援
○藤田 純一 (横浜市立大学附属病院)
[SY33-3]神経発達症における回避・制限性食物摂取症
○鈴木 太1,2 (1.上林記念病院こども発達センターあおむし, 2.福井大学子どものこころの発達研究センター地域こころの支援部門)
[SY33-4]アタッチメントや衝動性の課題と情動調節障害
○今村 明1,2, 徳永 瑛子1,2, 岩永 竜一郎1,2 (1.長崎大学医歯薬学総合研究科作業療法学分野, 2.長崎大学子どもの心の医療・教育センター)
[SY33-5]逆境的小児期体験とファンタジー/解離
○小平 雅基 (総合母子保健センター愛育クリニック)