Session Details
[SY44]シンポジウム44_多職種協働の視点から考えるこれからの虐待対応の在り方について~初期対応から息の長い支援まで~
Thu. Jun 19, 2025 6:00 PM - 8:00 PM JST
Thu. Jun 19, 2025 9:00 AM - 11:00 AM UTC
Thu. Jun 19, 2025 9:00 AM - 11:00 AM UTC
N会場(神戸ポートピアホテル 本館 B1階 和楽)
司会:山田 恵太(Mieli法律事務所)、増田 祥子(日本赤十字社医療センター)
メインコーディネーター:増田 祥子(日本赤十字社医療センター)
サブコーディネーター:横田 正久(横浜地方検察庁)
メインコーディネーター:増田 祥子(日本赤十字社医療センター)
サブコーディネーター:横田 正久(横浜地方検察庁)
*この企画は日本公認心理師協会「多様な専門性をもつ公認心理師のチーム」との協力企画です。
虐待を受けた影響はその方の人生に長く影を落とします。それが子ども時代に受けた性的虐待であるなら尚更であり、自身が虐待を受けていたと気づくことすらできない場合も多くあります。
児童虐待は小児精神科医や小児科医だけの問題ではありません。もしかしたら外来に通われている方々の心の奥底に潜んでいるのかもしれません。
そしてそのような方々から「この人だったら話しても大丈夫かもしれない」というほのかな信頼を寄せられた時、私たちには何ができるでしょう。息の長い支援を続けるために、専門家同士はどのように協働できるでしょうか。
田上幸治先生(神奈川県立こども医療センター総合診療部長 患者家族支援部長)は、長年子どもの虐待問題に取り組んできた小児科医の立場から、子ども病院や総合病院での虐待事案の初期対応の在り方についてお話しするとともに、二次被害を生まないために子どもに優しい環境を作り、性虐待の被害に配慮しながら心身の回復につながる診察方法の在り方や、息の長い支援を続けるために神奈川県で始めた取組をお伝えします。
横田正久先生(横浜地方検察庁刑事部長 公認心理師)は検事と公認心理師という2つの視点から、虐待事案において、検察が警察・児童相談所と連携協働しながら、子どもの司法面接を実施し、犯人を起訴するかどうかを決め、裁判で証人尋問をするまでの刑事司法の流れをお話しします。
最近大きな法改正がなされ、刑事司法でも虐待を受けた子どもの負担を少しでも軽くする取組が進んでいます。医療現場で虐待の初期対応を誤った場合、刑事司法で何が起きるのか等についてもお伝えします。
斎藤梓先生(上智大学 総合人間科学部心理学科 准教授)からは、教育と研究に携わりながら長年、公益社団法人被害者支援都民センターで性暴力被害者等の精神的ケアやトラウマ焦点化認知行動療法に取り組んできた立場から、年齢の問題や加害者が家庭外などの問題から児童相談所では対応が難しい事案について、多職種と協働しながらどのように刑事手続支援、心理的ケアを行ってきたかお話します。
増田祥子(日本赤十字社医療センターメンタルヘルス科医師・公認心理師)からは、うつ病や不安障害等として通院されていた方の根底に虐待を受けた経験があった症例を通して、精神症状を過去の虐待経験によるPTSDとしての側面から捉え直すことの重要性をお伝えします。
山田恵太先生(弁護士・公認心理師)は、心理職の資格をもちつつ弁護士として活動し、 生きづらさを抱えた方が加害者になった場合の刑事弁護人として豊富な経験を有しています。幼少期に受けた虐待経験が背景にある刑事事件の事例を通し、虐待の実態やその後の 生活に与える影響についてお話しします。(文責 増田祥子)
虐待を受けた影響はその方の人生に長く影を落とします。それが子ども時代に受けた性的虐待であるなら尚更であり、自身が虐待を受けていたと気づくことすらできない場合も多くあります。
児童虐待は小児精神科医や小児科医だけの問題ではありません。もしかしたら外来に通われている方々の心の奥底に潜んでいるのかもしれません。
そしてそのような方々から「この人だったら話しても大丈夫かもしれない」というほのかな信頼を寄せられた時、私たちには何ができるでしょう。息の長い支援を続けるために、専門家同士はどのように協働できるでしょうか。
田上幸治先生(神奈川県立こども医療センター総合診療部長 患者家族支援部長)は、長年子どもの虐待問題に取り組んできた小児科医の立場から、子ども病院や総合病院での虐待事案の初期対応の在り方についてお話しするとともに、二次被害を生まないために子どもに優しい環境を作り、性虐待の被害に配慮しながら心身の回復につながる診察方法の在り方や、息の長い支援を続けるために神奈川県で始めた取組をお伝えします。
横田正久先生(横浜地方検察庁刑事部長 公認心理師)は検事と公認心理師という2つの視点から、虐待事案において、検察が警察・児童相談所と連携協働しながら、子どもの司法面接を実施し、犯人を起訴するかどうかを決め、裁判で証人尋問をするまでの刑事司法の流れをお話しします。
最近大きな法改正がなされ、刑事司法でも虐待を受けた子どもの負担を少しでも軽くする取組が進んでいます。医療現場で虐待の初期対応を誤った場合、刑事司法で何が起きるのか等についてもお伝えします。
斎藤梓先生(上智大学 総合人間科学部心理学科 准教授)からは、教育と研究に携わりながら長年、公益社団法人被害者支援都民センターで性暴力被害者等の精神的ケアやトラウマ焦点化認知行動療法に取り組んできた立場から、年齢の問題や加害者が家庭外などの問題から児童相談所では対応が難しい事案について、多職種と協働しながらどのように刑事手続支援、心理的ケアを行ってきたかお話します。
増田祥子(日本赤十字社医療センターメンタルヘルス科医師・公認心理師)からは、うつ病や不安障害等として通院されていた方の根底に虐待を受けた経験があった症例を通して、精神症状を過去の虐待経験によるPTSDとしての側面から捉え直すことの重要性をお伝えします。
山田恵太先生(弁護士・公認心理師)は、心理職の資格をもちつつ弁護士として活動し、 生きづらさを抱えた方が加害者になった場合の刑事弁護人として豊富な経験を有しています。幼少期に受けた虐待経験が背景にある刑事事件の事例を通し、虐待の実態やその後の 生活に与える影響についてお話しします。(文責 増田祥子)
[SY44-1]当センターの多機関連携での虐待対応の取り組み
○田上 幸治 (神奈川県立こども医療センター)
[SY44-2]子どもの虐待の初期対応における多職種協働~医療と刑事司法の交差点~
○横田 正久 (横浜地方検察庁)
[SY44-3]性暴力被害者支援における多職種協働:加害者が家庭外の場合および成人後に被害開示された性暴力について
○斎藤 梓 (上智大学)
[SY44-4]児童虐待により傷つけられた心の再生
○増田 祥子 (日本赤十字社医療センター)
[SY44-5]虐待の長期的影響の一例:被害者性と加害者性の円環
○山田 恵太 (Mieli法律事務所)