Session Details
[SY59]シンポジウム59_精神科医を悩ませるゲーム行動症を理解する~新たな精神疾患への様々なアプローチ~
Fri. Jun 20, 2025 3:45 PM - 5:45 PM JST
Fri. Jun 20, 2025 6:45 AM - 8:45 AM UTC
Fri. Jun 20, 2025 6:45 AM - 8:45 AM UTC
B会場(神戸国際会議場 3階 国際会議室)
司会:館農 勝(特定医療法人さっぽろ悠心の郷ときわ病院)、樋口 進(独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター)
メインコーディネーター:館農 勝(特定医療法人さっぽろ悠心の郷ときわ病院)
サブコーディネーター:松﨑 尊信(独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター)、治德 大介(東京科学大学)
メインコーディネーター:館農 勝(特定医療法人さっぽろ悠心の郷ときわ病院)
サブコーディネーター:松﨑 尊信(独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター)、治德 大介(東京科学大学)
WHOはICD-11への改訂においてゲーム行動症(Gaming Disorder: GD)を精神疾患のひとつとして認定したが,そこに至る過程では様々な議論がなされた.2013年5月に公表されたDSM-5に "今後の研究のための病態"としてインターネットゲーム障害(Internet Gaming Disorder: IGD)の診断基準案が提示されて以来,いわゆる"ゲーム依存"に関する研究は一気に加速し,疫学研究を中心とした臨床研究,神経心理学的研究,併存症に関する研究,脳画像研究など多数の報告がなされた.過剰診断のリスク,社会の不安を煽る可能性,他の精神疾患の一側面を見ているだけではないかとの指摘をはじめとした激しい反対意見もあり,関連会議や学術誌上では活発な議論がなされたが,脳画像研究を中心に,以前より行動嗜癖と定義されていたギャンブル症と共通した病態基盤が指摘され,各種エビデンスから,重度のゲーム依存は医療の介入が必要な深刻なメンタルヘルス上の問題であるとの結論に至り,GDはひとつの疾患単位として定義された.
2022年1月に正式発効したICD-11はまもなく3年を迎えるが,いまだ,GDの実態は十分に理解されているとは言えない.本シンポジウムは,それぞれ異なる立場にあるGDの専門家が,様々な視点からGDの理解を試みるものである.
松﨑は,依存症専門病院においてゲーム・ネット依存専門外来を担当する立場から,GDのアセスメントや回復支援についての総論を担当する.井上は,小中学生をはじめとした若年者に多いGDにおいてゲートキーパーとなりうる小児科医の立場から,養護教諭を対象とした調査の結果も紹介しながら早期発見・早期介入について概説する.ゲームを愛好し,ゲーム依存当事者の実体験を描いた漫画の医療監修も務めている児童精神科医の関は,ゲームをプレイする立場からゲームに没頭する者の心理やゲームに潜むリスクについて講演する.榊は,脳計測実験や社会調査で得られた知見をもとに脳科学者の視点からGDの病態基盤について講演する.治徳は,ゲーム・ネット依存専門外来で診療にあたる精神科医としての立場に加え,大手通信企業との産学連携による予防介入にも取り組んでおり,GD予防の取り組みを紹介し,GDの回復支援に関する今後の方向性について論じる.WHOでGD検討部会のメンバーであった樋口氏に指定発言を求める.
GDに対する社会の関心は高く,精神科臨床の現場においてもゲーム過剰使用に関する相談を受ける機会が増えている.しかし,GDの実態は十分には把握されておらず,診断の輪郭すら朧気である印象を受ける.立場が異なるシンポジストが,それぞれの視点からGDの理解を試みる本シンポジウムは,多くの会員にとってGDを理解するための助けになると考える.
2022年1月に正式発効したICD-11はまもなく3年を迎えるが,いまだ,GDの実態は十分に理解されているとは言えない.本シンポジウムは,それぞれ異なる立場にあるGDの専門家が,様々な視点からGDの理解を試みるものである.
松﨑は,依存症専門病院においてゲーム・ネット依存専門外来を担当する立場から,GDのアセスメントや回復支援についての総論を担当する.井上は,小中学生をはじめとした若年者に多いGDにおいてゲートキーパーとなりうる小児科医の立場から,養護教諭を対象とした調査の結果も紹介しながら早期発見・早期介入について概説する.ゲームを愛好し,ゲーム依存当事者の実体験を描いた漫画の医療監修も務めている児童精神科医の関は,ゲームをプレイする立場からゲームに没頭する者の心理やゲームに潜むリスクについて講演する.榊は,脳計測実験や社会調査で得られた知見をもとに脳科学者の視点からGDの病態基盤について講演する.治徳は,ゲーム・ネット依存専門外来で診療にあたる精神科医としての立場に加え,大手通信企業との産学連携による予防介入にも取り組んでおり,GD予防の取り組みを紹介し,GDの回復支援に関する今後の方向性について論じる.WHOでGD検討部会のメンバーであった樋口氏に指定発言を求める.
GDに対する社会の関心は高く,精神科臨床の現場においてもゲーム過剰使用に関する相談を受ける機会が増えている.しかし,GDの実態は十分には把握されておらず,診断の輪郭すら朧気である印象を受ける.立場が異なるシンポジストが,それぞれの視点からGDの理解を試みる本シンポジウムは,多くの会員にとってGDを理解するための助けになると考える.
[SY59-1]ゲーム行動症の疫学について
○松﨑 尊信, 古賀 佳樹, 三原 聡子, 北湯口 孝, 樋口 進 (国立病院機構久里浜医療センター)
[SY59-2]小中学生のゲーム行動の課題:D-SCREENの取り組み
○井上 建 (獨協医科大学埼玉医療センター子どものこころ診療センター)
[SY59-3]オンラインゲームと子どもたちの居場所
○関 正樹 (医療法人仁誠会大湫病院)
[SY59-4]スマートフォンが子どもの脳と学習に与える影響
○榊 浩平 (東北大学応用認知神経科学センター)
[SY59-5]デジタル機器を用いたゲーム行動症の予防介入と回復支援
○治德 大介 (東京科学大学)
[指定発言]指定発言
○樋口 進 (独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター)