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[SY61]シンポジウム61_子ども・若者の虐待・うつ・自殺を巡るケアの未来

Fri. Jun 20, 2025 10:45 AM - 12:45 PM JST
Fri. Jun 20, 2025 1:45 AM - 3:45 AM UTC
C会場(神戸国際会議場 3階 レセプションホール)
司会:菱本 明豊(神戸大学大学院医学研究科精神医学分野)、辻井 農亜(富山大学附属病院)
メインコーディネーター:菱本 明豊(神戸大学大学院医学研究科精神医学分野)
本邦において、子どもの虐待や若者の自殺増加は過去に類をみないほど深刻化している。虐待などの幼少期逆境体験は抑うつや自殺リスクを著しく高めてしまうが、その生物学的機序は未だ不明で科学的根拠に基づく予防やケアも存在しない。
本企画ではまず、深刻な子ども・若者のメンタルヘルスの危機を、疫学・臨床精神医学の観点から紹介する(辻井)。次に、演者らが見出した「虐待経験や自殺リスクを抱えた子ども・若者のエピゲノム年齢老齢化や全脳レベルのAMPA受容体密度増加」といった新規の生物学的知見について、心の回復に伴う経時的推移やレジリエンスの生物学的機構を含め描出できる可能性を紹介する(大塚・宮崎)。その上で、堅固な科学的指標に基づいたセンシング・ウェアラブルデバイス開発や養育・周囲環境設計により、子どもや若者の心の不調を健常・ポジティブに調整するヒューマンインタラクションシステムの構想を提示する(寺田)。最後に、こうした先端科学技術の正の側面だけでなく負の側面を精確に見通し、真に安心安全かつ汎用的に社会実装するために必要不可欠な倫理的・法的・社会的課題(ELSI)について、専門的な議論を行う(標葉)。メインコーディネーターの菱本は、国立研究開発法人科学技術振興機構ムーンショット事業にて、本内容の研究開発を進めている。
将来を担っていく国の宝である子ども・若者が虐待など不幸な体験に晒され、結果としてうつ・自殺に至ってしまう現在の負の循環を断ちきる施策創出のきっかけになればと考え、本企画を提案する。

[SY61-1]児童青年の虐待、うつ、そして自殺の現状

辻井 農亜 (富山大学附属病院こどものこころと発達診療学講座)

[SY61-2]若者の虐待・うつ・自殺に関するゲノムバイオロジー

大塚 郁夫 (神戸大学大学院医学研究科精神医学分野)

[SY61-3]AMPA受容体密度変化を指標とした逆境体験の生物学的基盤の可視化

宮﨑 智之1, 佐々木 亮2, 首藤 正成2, 永露 毅2, 浅見 剛2 (1.横浜市立大学研究・産学連携推進センター, 2.横浜市立大学医学部精神医学)

[SY61-5]先端科学技術をめぐるガバナンスの未来

標葉 隆馬 (慶應義塾大学)