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[SY63]シンポジウム63_バイオ・サイコ・ソーシャルモデルにおけるダイアローグの応用~精神科治療の充実・発展のために~

Fri. Jun 20, 2025 3:45 PM - 5:45 PM JST
Fri. Jun 20, 2025 6:45 AM - 8:45 AM UTC
C会場(神戸国際会議場 3階 レセプションホール)
司会:斎藤 環(筑波大学医学医療系社会精神保健学/つくばダイアローグハウス)、植村 太郎(神戸労災病院)
メインコーディネーター:笹原 信一朗(筑波大学医学医療系)
サブコーディネーター:大谷 保和(筑波大学医学医療系)
日本においては2015年のオープンダイアローグ研究連絡会議が開催されて以後、本学会でも2019年にオープンダイアローグに関連するシンポジウムが採択され、その後も継続してきたようにオープンダイアローグの普及と実践が我が国でも確実に広がりつつある。しかし、一方でオープンダイアローグは薬物療法を否定し、現在の精神医療を否定する反精神医学ではないかとの誤解もいまだにある。実際にはバイオ・サイコ・ソーシャルモデルに基づくダイアローグの効果的な活用と考えられる。それは、すでに診療から精神保健相談、さらに看護教育から当事者ピアサポートに至るまで幅広い現場でオープンダイアローグの応用が行われていることを鑑みると、理解しやすい。現在の精神科治療から精神保健福祉に至るまで幅広い分野で応用され、既存のシステムと共存して来ている。
実際に精神科病院では、診察や面談、会議等の場面で、オープンダイアローグを志向するネットワークミーティングの取り組みが重ねられて来ている。またクロザピン使用の難治性統合失調症の入院中に外部のオープンダイアローグ研修受講者と主治医の二人体制で行う簡易対話実践が実現性の高い取り組みとして試みられている。依存症の診療現場では、オープンダイアローグと自助グループの共通性や、処方薬使用の位置づけに関する議論(処方薬依存への警戒及び、そのリスクを最小限にしながらも断薬しない選択も認めるハームリダクションの考え方の必要性)などのトピックが議論されている。看護教育の現場では、当事者とスタッフの話を、学生と教員がリフレクティングしながら聴く形式で応用されている。当事者ピアサポートの現場では、多様なダイアローグの場を立ち上げ、投薬をサポートしている医療者やクリニックとも連携しながら実践されている。このように現在すでに実践を積み重ねている現場からは、従来の精神科治療により豊かな結果をもたらしつつあることが報告されている。
そこで、本シンポジウムでは、オープンダイアローグを様々な分野で応用するシンポジストが一同に会して、対話的に精神科治療の充実・発展のために取り組むべきことについてそれぞれの実践経験をもとに問題提起と提案を重ねる。そして各シンポジストの発表を受けて、最後にオープンダイアローグ形式で指定発言者とシンポジストと座長とフロアも交えてリフレクティングを行う。これらの工夫により、シンポジウム聴講者自身もそれぞれの立場で今後の精神科治療の従実・発展のために身近な自らの足許での診療・保健福祉等の多様な現場で何が出来るのかを主体的に考えるきっかけとなることが期待される。

[SY63-1]日本の一民間精神科病院における対話実践の試み

山中 一紗 (医療法人明和会琵琶湖病院)

[SY63-2]治療抵抗性統合失調症に対する簡易版ダイアローグ「対話実践」の可能性

石川 真紀 (千葉県こころセンター(千葉県精神保健福祉センター))

[SY63-3]アディクションへのオープン・ダイアローグの応用

森田 展彰 (筑波大学)

[指定発言]指定発言

大井 雄一1,2 (1.筑波大学医学医療系, 2.澁谷川診療所)

[指定発言]指定発言

大谷 保和 (筑波大学医学医療系)

[指定発言]指定発言

笹原 信一朗 (筑波大学医学医療系)

[指定発言]指定発言

岩渕 一之 (ライクマインズ)