Session Details

[SY74]シンポジウム74_精神科離島・へき地医療発展のためのデジタル医学の導入

Fri. Jun 20, 2025 1:30 PM - 3:30 PM JST
Fri. Jun 20, 2025 4:30 AM - 6:30 AM UTC
F会場(神戸国際会議場 4階 403会議室)
司会:熊崎 博一(長崎大学医学部精神神経科学教室)、中村 雅之(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科精神機能病学分野)
メインコーディネーター:熊崎 博一(長崎大学医学部精神神経科学教室)
サブコーディネーター:中村 雅之(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科精神機能病学分野)、岩田 正明(鳥取大学医学部脳神経医科学講座精神行動医学分野)
離島をはじめとしたへき地医療圏において、医師をはじめとする医療資源不足は深刻な課題である。精神科診療においても医療資源不足は深刻で、必要な急性期機能の維持や適正かつ効率的な施設の整備は課題となっている。そういった背景の中で最近の科学技術の進歩は目覚ましいものがある。遠隔治療技術の進歩は離島、へき地医療への応用への期待感を抱かせる。治療アプリ、人工知能、ロボット技術も遠隔医療やへき地での高度な医療への貢献が期待される。本シンポジウムでは離島・へき地医療を実践する各大学医学部精神神経科教室がそれぞれの地域で主導するデジタル医学を用いた最新の取り組みについて紹介する。また先進的なへき地医療発展のためのデジタル医学の導入のメリット及び課題について議論する。本シンポジウムは以下の5つの演題で構成される。
隠岐諸島におけるKOKOROBO-Jの効果検証」では、隠岐諸島での医療資源不足に鳥取大学が中心に取り組む、隠岐諸島の中心である島後への診療支援及びその二次離島である島前への週1の往診の現状を紹介する。KOKOROBO-Jは、若年者のメンタルヘルスに焦点を当てつつ、いつでもどこでも誰でもアクセス可能なメンタルヘルスチェックシステムである。島前地域での6,000人を対象としたKOKOROBO-Jの導入の検討、及び効果検証についても解説する。
徳之島・沖永良部島でのオンライン診療実践」では、徳之島・沖永良部島での精神科医療需要に対応するために、昭和大学が2024年7月に開設した「鹿児島県地域離島精神医学寄付講座」、が主催する徳之島病院での外来および入院診療、沖永良部島や与論島とのオンライン診療、与論島を中心に展開する巡回診療の内容を紹介する。また離島でのオンライン診療の現状の課題と今後の展望について考察する。
沖縄県のへき地離島医療問題を解決するデジタル医療の活用」では、沖縄県内の医療の偏在化、特に離島地域における医療へのアクセスを改善するために、琉球大学が主導する、オンライン診療を含めたデジタル医療を活用した沖縄県のへき地、離島医療での取り組みを紹介する。
長崎県におけるロボットを用いた遠隔診療の実践」では、長崎大学が、長崎県の精神科医が不在の離島及総合病院において展開している遠隔診療支援、中でも遠隔操作型ロボットを用いて行っている、離島医療及び総合病院診療支援の現状について紹介する。遠隔診療をあえてロボットを用いて行うメリットと今後の課題について考察する。
鹿児島県におけるデジタル医療を用いた遠隔診療体制の構築」では鹿児島大学が主導する、鹿児島県内のへき地医療における精神科医師不足に対処するための、人材派遣、webアプリなどデジタル医療を用いた遠隔医療体制作りの現状、今後の課題について紹介する。

[SY74-1]隠岐諸島におけるKOKOROBO-Jの効果検証

岩田 正明 (鳥取大学医学部脳神経医科学講座精神行動医学分野)

[SY74-2]徳之島・沖永良部島・与論島でのオンライン診療実践

真田 建史, 片岡 悠哉, 吉田 智弘 (昭和医科大学医学部精神医学教室)

[SY74-3]長崎県におけるヒューマノイドロボットを用いた遠隔診療の実践

熊崎 博一 (長崎大学医学部精神神経科学教室)

[SY74-4]沖縄県の離島・へき地医療におけるオンライン診療の実装化

高江洲 義和 (琉球大学大学院医学研究科精神病態医学講座)

[SY74-5]鹿児島県の離島地域における認知症診療の現状と展望

中村 雅之 (鹿児島大学大学院医歯学総合研究科精神機能病学分野)

[指定発言]指定発言

岸本 泰士郎 (慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室)

[指定発言]指定発言

神庭 重信1,2 (1.飯田病院/日本うつ病センター/九州大学, 2.日本うつ病センター)