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[SY77]シンポジウム77_精神科臨床に欠かせない睡眠医学の知識

Fri. Jun 20, 2025 10:45 AM - 12:45 PM JST
Fri. Jun 20, 2025 1:45 AM - 3:45 AM UTC
H会場(神戸国際会議場 5階 502会議室)
司会:内田 直(すなおクリニック/早稲田大学/東京科学大学大学院医歯学総合研究科精神行動医科学/自治医科大学精神医学講座)、本多 真(東京都医学総合研究所精神行動医学研究分野睡眠プロジェクト/公益財団法人神経研究所附属晴和病院)
メインコーディネーター:内田 直(すなおクリニック/早稲田大学/東京科学大学大学院医歯学総合研究科精神行動医科学/自治医科大学精神医学講座)
サブコーディネーター:髙橋 英彦(東京科学大学大学院医歯学総合研究科精神行動医科学/東京科学大学総合研究院脳統合機能研究センター)
睡眠障害専門クリニックは、専門性が高くなればなるほど、精神疾患の症状を併せ持っている患者への対応ができにくくなっている。例としては、日中の過度の眠気や起床困難と神経発達障害、睡眠時無呼吸とうつ病の合併、レム睡眠行動障害とアルコール依存あるいはレビー小体型認知症などがそれに当たる。一方で、精神科医も睡眠障害の問題に対して、適切な対応が難しくなるケースが有り、投薬を継続しているケースを睡眠障害専門クリニックに紹介せざるをえない場合がある。例としては、長時間睡眠、日中の過度の眠気、頑固な不眠、夜間の異常行動などである。
精神科疾患に睡眠の問題が伴うことは、多くの精神科医が理解しているし、睡眠医学の重要性にしても理解していることと思われる。しかしながら、このように双方の重篤な問題があると、このような病態を総合的に治療することが時に困難となる。また、日常の精神科臨床の中で睡眠疾患を見逃すこともある。例えば、閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、夜間睡眠の質を劣化させるが、これによって生じる日中の問題は集中力の低下、体のだるさ等である。このような中で仕事を継続すると、同じストレス事象に暴露しても感じるストレスの度合いは当然高くなる。こういった中で、気分障害を呈する結果になるケースも少なくない。睡眠時無呼吸症候群に気づかなければ、休職をし、これによる回復そして復職となっても、通常のストレス事象がより大きなストレスと感じられることには変わりはない状態になり、再発もあり得る。更に気づかれなかれば、再発を繰り返す難治例として扱われるかもしれない。これは一つの例に過ぎないが、睡眠医学の知識は精神科臨床に欠かせないものである。
このような中で、精神科専門医が十分な睡眠医学の知識を持つことがこの問題の根本的解決につながると考える。シンポジウムは、様々な疾患や症状を、精神医学、睡眠医学双方の視点からどのように捉えるのが良いかについて考え、精神医学においての睡眠医学の知識が欠かせないものであることについて認識することを目的としている。こういった視点からも、英文のテーマを"A fundamental understanding of sleep medicine for psychiatric care"とした。

[SY77-1]精神科臨床診療に必須な睡眠医学の知識

内田 直1,2 (1.すなおクリニック, 2.早稲田大学)

[SY77-2]精神疾患と睡眠呼吸障害の意外な関係

杉田 尚子 (国立病院機構京都医療センター)

[SY77-3]睡眠てんかんとパラソムニア

髙木 俊輔 (東京科学大学精神行動医科学分野)

[SY77-4]日中の過剰な眠気が訴えられたとき

本多 真1,2 (1.公益財団法人東京都医学総合研究所, 2.公益財団法人神経研究所附属晴和病院)

[指定発言]指定発言

須田 史朗 (自治医科大学精神医学講座)

[指定発言]指定発言

内村 直尚 (久留米大学)