Session Details

[SY96]シンポジウム96_主治医と産業医の間には、深くて暗い河がある~「職場のうつ」診療とグレーゾーン理解~

Fri. Jun 20, 2025 1:30 PM - 3:30 PM JST
Fri. Jun 20, 2025 4:30 AM - 6:30 AM UTC
P会場(神戸国際展示場 1号館 2階 展示室A)
司会:原田 剛志(医療法人悠志会パークサイドこころの発達クリニック)、神尾 陽子(お茶の水女子大学/国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター/神尾陽子クリニック)
メインコーディネーター:原田 剛志(医療法人悠志会パークサイドこころの発達クリニック)
サブコーディネーター:神尾 陽子(お茶の水女子大学/国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター/神尾陽子クリニック)
<日本医師会認定産業医制度産業医学研修会対象セッション>
近年、職場におけるメンタルヘルスの重要性が高まる中、特に「職場のうつ」に関する理解と対応が求められています。しかし、主治医と産業医の間には、しばしば情報の断絶やコミュニケーションの不足が見られ、これが患者の適切な診療や支援を妨げる要因となっています。本シンポジウムでは、「主治医と産業医の間には、深くて暗い河がある」というテーマのもと、職場のうつに関する診療の現状と、グレーゾーンにある症例の理解を深めることを目的とします。
まず、主治医と産業医の役割の違いと、それぞれの視点から「職場のうつ」に対するアプローチを明確にし、お互いに対する不満について考察します。
そして、現状の「職場のうつ」からの復職率の低さから、何が復職を阻んでいるのかについて考察を行います。「職場のうつ」に代表される職場のメンタルヘルス問題には、多くの場合発達グレーゾーンと呼ばれる神経発達症の特性による不安や不適応が多く存在します。それらを考慮しながら、主治医が治療をするための情報は十分か、主治医の病態理解は適切か、通院間隔や治療内容は休職した労働者にとって十分か、会社・産業医は復職に向けた発達特性を理解した環境調整の仕方と上司を含めた周囲の職員への啓蒙方法、うつ状態とパフォーマンスの低下が再発した場合次に行うべきことは何か、などをベテラン産業医と神経発達症診療のベテラン医師とのディスカッションから今後の新しい「職場のうつ」の標準的治療と主治医-産業医の連携について考えていきます。
本シンポジウムを通じて、主治医と産業医の間に存在する「深くて暗い河」を乗り越え、職場のうつに対する理解と対応を深めることができれば幸いです。参加者の皆様と共に、より良いメンタルヘルス支援の実現に向けて議論を深めていきたいと考えています。

[SY96-1]職場不適応のうつ治療を通して自己理解を深める

神尾 陽子1,2,3 (1.お茶の水女子大学, 2.国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 3.神尾陽子クリニック)

[SY96-2]主治医と産業医のグレーゾーン理解の共有~発達障害と定型発達との境界線の岸辺から~

今村 明1,2 (1.長崎大学医歯薬学総合研究科作業療法学分野, 2.長崎大学子どもの心の医療・教育センター)

[SY96-3]復職を円滑にすすめるにあたり、産業医ができること、精神科主治医に臨むこととは?

中野 和歌子 (ラベンダーメンタルクリニック浜松町)

[指定発言]指定発言

本田 秀夫 (信州大学医学部)