Session Details
[SY102]シンポジウム102_「機能性神経障害」-変換症(転換性障害)診療における脳神経内科と精神科の協働の新しい視点
Sat. Jun 21, 2025 8:30 AM - 10:30 AM JST
Sat. Jun 21, 2025 11:30 PM - 1:30 AM UTC
Sat. Jun 21, 2025 11:30 PM - 1:30 AM UTC
B会場(神戸国際会議場 3階 国際会議室)
司会:髙木 俊輔(東京科学大学)、谷口 豪(国立精神・神経医療研究センター病院てんかん診療部)
メインコーディネーター:髙木 俊輔(東京科学大学)
サブコーディネーター:谷口 豪(国立精神・神経医療研究センター病院てんかん診療部)
メインコーディネーター:髙木 俊輔(東京科学大学)
サブコーディネーター:谷口 豪(国立精神・神経医療研究センター病院てんかん診療部)
「機能性神経障害」という概念が近年脳神経内科領域から提出され、変換症(転換性障害)の診療に新たな視点が加わっている。当シンポジウムでは機能性神経障害の概念と詳細を脳神経内科領域から紹介いただき、精神科領域と議論を行いながら両科が協働してこの領域で診療していく方法を模索する。神経学者であるシャルコーはヒステリーの診療に取り組んだが、DSM-5-TRではヒステリーは解離症・変換症という疾患群名となり、精神科が診療する領域とされることがほとんどである。解離症・変換症は除外診断を前提とした疾患群概念で、脳神経内科領域で身体疾患の除外を行ったのちに、精神科領域で原因となる「心因」を探りながら治療を試みるという形で脳神経内科と精神科の協働が行われることが一般的だった。しかし、最近になり脳神経内科領域より提出された機能性神経障害の概念では、特に変換症において心因の有無を明確にせず、そして除外診断ではなく「陽性徴候」により積極的に診断していくという姿勢をとる。これは、従来の心因に着目した変換症診療とは異なる視点であり、変換症診療を精神科が行い、脳神経内科との協働において、有用な視座となりうる。この領域のエキスパートを脳神経内科領域・精神科領域からお呼びし、解説、議論いただくことで、参加の精神科医にこの概念の理解を促し、脳神経内科との協働の発展を探る。
1. 機能性神経障害とは:園生雅弘機能性神経障害概念の変革において本邦で中心的役割を果たしてきた園生が、機能性神経障害についての近年の脳神経内科領域でのinnovationについて、陽性徴候による診断を含め解説する。
2. 解離症、変換症との異同:吉村匡史精神科領域から機能性神経障害について理解の深い吉村が、歴史、シャルコー以降のヒステリー診療の歴史を精神科領域からの視点で説明し、心因を探る治療の実際とその限界について説明する。
3. 機能性神経障害の電気生理検査:関口輝彦関口は脳神経内科での電気生理検査のエキスパートで、機能性神経障害の電気生理検査に習熟している。機能性神経障害診断で強力な検査となりうる電気生理検査所見について、所見や精神科医が脳神経内科医に依頼する際のポイントを説明する。
4. 精神科臨床で遭遇する機能性神経障害:近藤伸介近藤は神経疾患による精神症状など精神科と脳神経内科の境界領域での臨床に造詣が深く、機能性神経障害診療についても多くの経験がある。実臨床における機能性神経障害の例を示し、その診療の困難性や問題点を明らかする。
5. 機能性神経障害の治療(告知とその後):音成秀一郎 指定発言:谷口豪機能性神経障害(解離症、変換症)の治療は告知から始まると考えられるが、それ以降の治療については十分なエビデンスがない。心因性非てんかん性発作(PNES)と呼ばれる機能性神経障害の一種の診療における第一人者である音成・谷口が、告知の方法およびそれ以降の治療・マネジメントについて解説・議論し、さらなる良質な診療へ結びつける。
1. 機能性神経障害とは:園生雅弘機能性神経障害概念の変革において本邦で中心的役割を果たしてきた園生が、機能性神経障害についての近年の脳神経内科領域でのinnovationについて、陽性徴候による診断を含め解説する。
2. 解離症、変換症との異同:吉村匡史精神科領域から機能性神経障害について理解の深い吉村が、歴史、シャルコー以降のヒステリー診療の歴史を精神科領域からの視点で説明し、心因を探る治療の実際とその限界について説明する。
3. 機能性神経障害の電気生理検査:関口輝彦関口は脳神経内科での電気生理検査のエキスパートで、機能性神経障害の電気生理検査に習熟している。機能性神経障害診断で強力な検査となりうる電気生理検査所見について、所見や精神科医が脳神経内科医に依頼する際のポイントを説明する。
4. 精神科臨床で遭遇する機能性神経障害:近藤伸介近藤は神経疾患による精神症状など精神科と脳神経内科の境界領域での臨床に造詣が深く、機能性神経障害診療についても多くの経験がある。実臨床における機能性神経障害の例を示し、その診療の困難性や問題点を明らかする。
5. 機能性神経障害の治療(告知とその後):音成秀一郎 指定発言:谷口豪機能性神経障害(解離症、変換症)の治療は告知から始まると考えられるが、それ以降の治療については十分なエビデンスがない。心因性非てんかん性発作(PNES)と呼ばれる機能性神経障害の一種の診療における第一人者である音成・谷口が、告知の方法およびそれ以降の治療・マネジメントについて解説・議論し、さらなる良質な診療へ結びつける。
[SY102-1]機能性神経障害とは
○園生 雅弘 (帝京大学医療技術学部視能矯正学科)
[SY102-2]機能性神経障害と解離症・変換症との異同
○吉村 匡史 (関西医科大学リハビリテーション学部作業療法学科)
[SY102-3]機能性神経障害の電気生理検査
○関口 輝彦 (横浜市立みなと赤十字病院脳神経内科)
[SY102-4]精神科臨床で遭遇する機能性神経障害
○近藤 伸介 (東京大学医学部附属病院)
[SY102-5]機能性神経障害の治療(告知とその後)
○音成 秀一郎 (広島大学大学院医系科学研究科脳神経内科学)
[指定発言]指定発言
○谷口 豪 (国立精神・神経医療研究センター病院てんかん診療部)