The 84th Annual Meeting of the Entomological Society of Japan・The 68th AEZ annual meeting

The 84th Annual Meeting of the Entomological Society of Japan・The 68th AEZ annual meeting

Mar 28 - Mar 31, 2024Sendai International Center
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Mar 28 - Mar 31, 2024Sendai International Center

[PG01-04]マイマイガ雑種第1世代にみられる性転換現象の分子基盤について

◯Masataka Suzuki1, Kisuke Shoji1, Ryota Kasahara2, Hideji Naka3(1. GSFS UTokyo, 2. Juntendo Univ., 3. Tottori Univ.)
雑種後代において性比が歪むことは多くの生物においてよく知られている。マイマイガにおいても亜種間交配によって得られた後代の性比が歪むことがわかっているが、その分子基盤は未だ不明である。我々はこれまでにマイマイガの雌決定因子の候補遺伝子としてW染色体上の遺伝子Fet-Wを同定している。そこでこの発見に基づき、マイマイガの亜種間交配により性比が歪む原因を明らかにすることにした。 マイマイガとその近縁種(亜種とする説もある)エゾマイマイガの雑種第1代の遺伝学的性(ZZかZWか)に基づく性比は雌:雄=1:1であった。これらの個体の性分化(雌か雄か)の状態を調べるため、マイマイガの性分化遺伝子Lddsxの発現パターンを確認したところ、エゾマイマイガを雌親とした場合に次世代の全ての個体が雄になることがわかった。さらにFet-Wのコピー数を調べた結果、マイマイガに比べエゾマイマイガにおけるFet-Wのコピー数が少ないこと、さらにその発現量もマイマイガより低いことが判明した。以上の結果から、エゾマイマイガ雌×マイマイガ雄の交配によって得られた雑種第1代が遺伝学的性に依らず全て雄へと性転換するのは、エゾマイマイガのFet-Wの雌決定能がマイマイガのそれに比べて弱いことに起因すると予想された。