The 84th Annual Meeting of the Entomological Society of Japan・The 68th AEZ annual meeting

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Mar 28 - Mar 31, 2024Sendai International Center
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Mar 28 - Mar 31, 2024Sendai International Center

[PG01-08]オンブバッタの緑色型と褐色型の自切率

◯Jun-Ya Ide1(1. Kurume Inst. Tech.)
バッタ類の中には体色に緑色型と褐色型の二型がある種が多い。緑色型は草地で、褐色型は裸地や枯草上で隠蔽的になるはずなので、この体色多型は草地の場所と裸地や枯草が多い場所がモザイク状に入り混じった環境に生息する場合に適応的だと考えられる。このことは直感的に当然と思えるが、野外で捕食圧を定量的に測定して確かめた例は少ない。バッタ類は捕食されかけた時に肢を自切する。そこで、オンブバッタを対象に、自切率を野外の捕食圧の指標として利用し、草地で緑色型のバッタが捕食されにくいことを検証した。
九月後半から十一月までオンブバッタを草地で捕獲し、自切の有無と体色、体サイズ(前胸背板長)を記録した。自切率には捕食圧以外の要因が影響を及ぼすことも考えられる。そこで、捕食圧以外の要因を考慮した上で自切率を評価するため、個体ごとの自切の有無を目的変数、体色、体サイズ、捕獲時期とその間の交互作用を説明変数、性別を変量効果として一般化線形モデルで変数選択を行った。その結果、説明変数として体色のみを含むモデルが選択され、自切率には体色が影響していることがわかった。体色型の間で自切率を比較すると、雌雄ともに褐色型の自切率が高かった。従って、やはり草地では褐色型が捕食されやすいことが明らかになった。