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[C-2C-02]マイクロ波誘電緩和時間に基づくリンゴ糖度推定の基礎検討

◎Yuta Watabe1, Hibiki Otomo1, Kenji Miura1 (1. Iwate Univ.)

Keywords:

Debye-type relaxation,sugar aqueous solution,relaxation time,sugar content estimation

果樹農業の自動化に向け,樹上果実の糖度を直接かつ非破壊で評価するマイクロ波測定が検討されているが,果肉中に含まれる水分の誘電緩和における緩和時間を指標とした糖度推定は行われていない.本研究ではその基礎検討として,複素比誘電率から Debye 型緩和式を用いてフィッティングして得られた緩和時間を求め,糖水溶液の糖濃度および糖水溶液の体積割合が緩和時間に及ぼす影響を実験的に明らかにした.
実験の結果,4 種の糖(フルクトース,ソルビトール,スクロース,グルコース)において緩和時間は糖濃度に対し線形に単調増加していることが確認された.この理由として,糖濃度の増加により1個あたりの水分子の周囲にある糖分子数が増加し,水分子と糖の OH 基との間に水素結合が形成されることで,水分子の配向が阻害されたためと考えられる.また,スクロースとソルビトールは他の糖と比較して緩和時間が大きくなる傾向にあり,糖分子内における OH 基の数や分子量の大きさの影響を受けた結果と考えられる.また,蒸留水および 10,20w/v%フルクトース水溶液を三次元網目構造のメラミンフォームに含浸させたサンプルについて検討したところ,糖水溶液体積割合が 60~95%では緩和時間がほぼ一定であることが認められ,先に得られた糖濃度に対する緩和時間の関係が糖水溶液体積割合に依存せず保たれていることが確認された.これらより,糖水溶液とそれ以外の物質が混合している場合においても,糖水溶液の体積割合が 60%以上であれば緩和時間から糖度推定できる可能性が高いことを示唆している.