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[C-3_C-4-44]1200 nm励起によるカーボンナノチューブのラマンピーク観測

◎△Miku Shibuya1,2, Satoshi Yanase1,2, Kouichi Akahane2, Atsushi Matumoto2, Toshimasa Umezawa2, Satoshi Shinada2, Naokatsu Yamamoto2, Yuito Horita1, Shinji Koh1, Tomohiro Maeda1,2, Hideyuki Sotobayashi1 (1. Aoyama Gakuin University, 2. National Institute of Information and Communications Technology)

Keywords:

Raman Spectroscopy,Carbon Nanotube,Spectrometer,Silicon Photonics,Optical Waveguide

本研究では、1200 nm励起を用いた高分解能ラマン分光システムの実現性を検証した。ラマン分光では励起波長として532 nmや785 nmが広く用いられているが、近年では蛍光の抑制などを目的として1064 nmや1550 nmなどの長波長励起も検討されている。長波長励起では、試料由来の蛍光を抑制できることに加え、同一のラマンシフトに対する波長変化量が大きくなるため、高分解能化が期待できる。1200 nm励起では、多くの材料評価で対象となる約2450 cm-1までのラマンシフトがInGaAs受光器の感度波長域内に収まるため、広い波数範囲を単一の受光デバイスで測定できる。一方で、長波長励起では散乱強度の低下が課題となるが、1200 nmはシリコンが透明となる波長帯であるため、将来的にはシリコンフォトニクス技術を適用した長尺光導波路による相互作用長の延伸を利用した高感度化が期待される。実験では、SiO2/Si基板上に単層カーボンナノチューブ(SWCNT)インクを滴下した試料を用い、532 nmおよび1200 nm励起によるラマン測定を行った。その結果、両励起波長において1580 cm-1付近にグラファイト構造に由来するGバンドが観測された。このことから、1200 nm励起においても従来の励起波長と同様にラマン分光測定が実現できることが示された。また、532 nm励起では1557 cm-1付近に肩構造が観測されたのに対し、1200 nm励起では確認されなかった。この差異は、励起波長によるSWCNTの共鳴条件の違いが影響している可能性がある。以上より、1200 nm励起を用いたラマン分光の実現性を確認した。今後は他の試料の測定を進めるとともに、シリコン導波路を利用したラマン信号増強技術の検討を行い、高感度かつ高分解能なラマン分析システムの実現を目指す。