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[LS7-1]エクソーム・ターゲットリシーケンス解析の進化:各種手法の比較検証を通して

宮 冬樹 (慶應義塾大学 医学部 臨床遺伝学センター)
「エクソーム・ターゲットリシーケンス解析の進化:各種手法の比較検証を通して」<br/>次世代シーケンサーを用いて疾患の原因変異を探索する際に、迅速性と費用対効果を最大化させるため、標的遺伝子を絞ったターゲットリシーケンスあるいはエクソーム解析(WES)が広く用いられている。標的遺伝子のみを選択的にシーケンスするためにキャプチャープローブや試薬類が様々な会社から販売されているが、年々進化するその試薬や手法を比較したデータは限定的であり、疾患遺伝子を探索する際に試薬や解析手法は何を用いるのが最善策なのかのコンセンサスはないのが現状である。解析面ではGATK best practiceと呼ばれる手法を用いることが最も一般的と言えるが、それだけで完全とは言えず、特にGATKではSNVやshort indel以外のゲノム構造異常をほとんど検出できないこともあり、現在でも様々な新規解析手法が論文報告され続けている。<br/>本発表では、各種試薬を用いた結果比較と共に、実験手法による差、例えばWESか全ゲノムシーケンスか、ショートリードかロングリードか、などの実際に発表者が行った比較検証結果を提示する。さらに、一般的な解析手法では同定が難しい疾患原因変異を様々な解析手法を組み合わせることで同定することができた実際の事例も提示しつつ、疾患原因変異探索のゲノム解析研究における現時点での最良手段を議論したい。