2021年度全国大会(第56回論文発表会)

2021年度全国大会(第56回論文発表会)

2021年11月5日〜11月7日愛媛大学・オンライン
全国大会(論文発表会)
2021年度全国大会(第56回論文発表会)

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2021年11月5日〜11月7日愛媛大学・オンライン

[1]絵葉書に見る原初的な奈良公園の風致景観における植栽の特徴と効果

○佐々木 宏二1、増田 昇1、井原 縁2、加我 宏之1(1. 大阪府立大学、2. 奈良県立大学)

キーワード:

奈良公園、風致景観、植栽、絵葉書

本研究は、1890年代から1960年代に奈良公園を題材に描かれた絵葉書の分析を通じて、原初的な奈良公園の風致景観を構成する植栽の特徴を明らかにし、風致景観における効果を考察することを目的としている。その結果、風致景観を構成する植栽は、植栽そのものが主景となる景と、植栽が建造物や参道を修景する景の2通りに分けられた。前者では、いわれのある名木、巨木、広大な草地が、歴史的建造物やシカと一体となって主景を形成し、植栽が奈良公園固有の歴史文化性や自然性を表象する効果を発揮していると考えられた。後者では、主景の前後に出現する植栽が、景に季節感、奥行き感、歴史性を与える効果や背景を整える効果を発揮していると考えられた。