講演情報

[3]アウトカムに依存するサンプリングバイアスに着目した因果推論手法-関係者からのイベント情報共有が住民の参加傾向に与える影響分析-

○石井 健太1、石井 朝規1、平松 義崇1 (1. 株式会社日立製作所)
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キーワード:

因果推論、情報共有、傾向スコア、サンプリングバイアス、地域イベント

地域イベントは住民の地域への愛着形成を促す重要な要素であるが,自治会を始めとしたイベント実施主体にとって,イベントへの住民の呼び込みは容易ではない.住民が集まるイベントには,イベントを実施する環境やイベント内容自体の魅力度を改善するだけではなく,その情報を住民に対して魅力的に周知することが不可欠である.本研究では,周知方法として関係者からの情報共有に着目し,この介入が住民のイベント参加確率に与える因果効果を抽出する.具体には,イベント参加有無のような評価したいアウトカムに依存して調査傾向が変化するデータに対して,サンプリングバイアスと交絡の双方を考慮することで,施策の効果を適切に評価する因果推論手法を提案する.提案手法を実証実験データに適用することで,対象地域における関係者からの情報共有は,ない場合と比して,住民のイベント参加確率を3倍以上向上させることを明らかにした.