講演情報

[7]時空間データにみる新たな地域防犯活動としての「ながら見守り」の特性

○香嶋 愛美1、雨宮 護2、樋野 公宏3 (1. パシフィックコンサルタンツ株式会社、2. 筑波大学、3. 東京大学)
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キーワード:

犯罪予防、ながら見守り、全地球測位システム(GPS)、見守り、足立区

新たな地域防犯活動である「ながら見守り」は,メンバーが日常生活のついでに緩やかな見守り活動を行うものである.本研究では,東京都足立区におけるながら見守りの取り組みを事例に,アンケート調査とGPSによる移動計測調査を用いて,ながら見守りに参加するメンバーの人口統計学的特徴と移動パターンを分析した.その結果,ながら見守りには,30~49歳,女性,勤労者という,従来の自主防犯団体にはあまり見られなかった新たな層が含まれていることがわかった.また,ながら見守りの移動パターンは,従来自主防犯団体により行われてきたパトロール活動よりも滞在回数が多く,速度も遅いことがわかった.さらに,ながら見守りの活動は,活動種別の多様性を反映して,時間帯や地理的範囲が広くカバーされていることがわかった.最後に,これらの結果より,ながら見守りの今後の地域防犯活動における位置づけと可能性を議論した.