講演情報
[10]立ち寄り利用型施設の配置が通過量分布に与える影響
○金子 大悟1、田中 健一1 (1. 慶應義塾大学)
キーワード:
施設配置問題、通過量、フロー需要
都市に施設が新設されると,その施設へアクセスする利用者によって,周辺の人や車の流れが変化する.例えば,大規模な商業施設の立地により周辺道路が渋滞する状況が該当する.この影響を測るための数理モデルの開発は都市工学上の重要なテーマであるが,これまで十分に追求されてこなかった.本研究では,一次元都市モデルを想定し,移動途中に施設へ立ち寄る状況において,施設配置が各地点の通過量に与える影響を分析する.起点と終点が線分上で一様に分布する状況において,全移動者が迂回距離最小の施設に立ち寄る場合と,迂回距離に応じて立ち寄り確率が決定される場合において,各地点の通過量を解析的に導出する.施設の数や配置によっては,都市中心以外において通過量が最大となる地点が存在することを示す.さらに,迂回距離に応じて立ち寄り確率が決定される状況において,施設利用者数を最大化する施設配置を求める問題を定式化し,解の特徴を数値的に分析する.提案モデルは,ネットワークや二次元平面上のモデルへの拡張など,様々な展開が期待できる.