講演情報
[18]多拠点生活者による地域の組み合わせ実態とその特徴サブスクリプションサービス「ADDress」を対象として
○輿石 彩花1、小泉 秀樹2、吉村 有司3、中島 弘貴2、新 雄太2、古賀 千絵3、井上 拓央3、渡部 一郎2、梁 イェリム3 (1. 三菱地所株式会社、2. 東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻、3. 東京大学先端科学技術センター)
キーワード:
多拠点生活、地域の組み合わせ、地域選択、アドレス
近年、複数の拠点を移動しながら生活する人が増えている。本研究では、多拠点生活のためのサービスであるADDressの会員を対象にWebアンケートを実施し、多拠点生活者がどのような地域を組み合わせて生活しているかを明らかにした。まず、①拠点間距離、②利用目的、③環境価値の3つの観点から地域の組み合わせをみると、多拠点生活者は拠点間距離の短いところに拠点を配置していること、最も利用頻度の高い拠点で通常の地域選択と同様の環境価値を持つ地域に居住の機能を持っていること、二番目以降の拠点でADDress独自の特徴を生かして多拠点生活における要求を満たしていることが明らかになった。次に、上記の3つの観点により地域の組み合わせ方で多拠点生活者を分類すると、二拠点生活者は4つ、三拠点以上生活者が6つの類型に分けられ、地域の組み合わせ方は個人属性や利用方法によって異なることが明らかになった。そのため、地域の持つ資源から生み出せる環境価値や大都市との距離、呼び込みたい層などに併せて多拠点生活者の受け入れ戦略を考える必要があることが示唆された。