講演情報
[19]地域活動拠点における複数展開の過程とその要因に関する研究川崎市武蔵新城エリアを対象として
○森田 彩日1、野原 卓2、尹 莊植2、矢吹 剣一2 (1. 横浜国立大学大学院 都市イノベーション学府、2. 横浜国立大学大学院 都市イノベーション研究院 准教授)
キーワード:
地域活動拠点、民間主導、地元不動産、郊外住宅地
近年、地域コミュニティの衰退や超高齢化・人口減少などが社会課題となり、民間が主導となって地域活動を行う「地域活動拠点」の設置が求められている。本研究は、複数の地域活動拠点が高密度に連携した形で開設されている川崎市武蔵新城エリアに着目し、地域活動拠点が複数展開する過程とその要因を明らかにすることを目的とする。主にヒアリング調査によって活動拠点の開設経緯を調べた結果、複数の地域活動拠点が開設される背景には、5主体の働きがあった。(1)土地建物所有者は、今後の不動産運用において地域とのつながりが重要だと考え一階部分を開くことで地域に積極的に顔を出す空間活用を企図していた。(2)運営者は、地域で活動したい想いを持ち土地建物所有者と協働し、地域連携の工夫を行っていた。(3)設計者は、塀の撤去・デッキ設置など地域拠点をまちに開く工夫を行った。(4)利用者は、企画や展示を通じて主体的に活動していた。(5)支援者(市・NPO)は、プロジェクト運営や助成金を通じて地域で活動する人々をサポートしていた。これら5主体が時機を見ながら連携することで複数の地域活動拠点が連鎖的に開設されており、武蔵新城エリアにおける地域活動を活性化していた。