講演情報
[25]新概念を用いたまちづくり活動の「新鮮味」がもたらす新たな参加に関する研究こまつしまリビングラボにおける参加の成果と課題を通じた論考
○松本 卓也1,3、田口 太郎2、森田 椋也1 (1. 徳島大学人と地域共創センター、2. 徳島大学大学院社会産業理工学研究部、3. 徳島大学大学院創成科学研究科創成科学専攻)
キーワード:
まちづくり、市民参加、新たな参加、参加の動機、リビングラボ
リビングラボは、米国で生まれ欧州で広がった市民主体による共創活動である。国内でも2010 年頃から実践事例が報告されており、今後市民主体のまちづくり活動の方法論として期待されるものである。本稿は、このリビングラボの概念を用いて実施した「こまつしまリビングラボ」を対象とした事例研究である。近年、まちづくり活動への積極的な市民参加が求められる一方で、参加者の固定化などが問題とされている。本研究では、新しい概念を用いたまちづくり活動がもたらす「新鮮味」による新たな参加に着目した。新概念がもたらす「新鮮味」は、参加層の固定化指摘されるまちづくり活動に、地域内外からの新たな参加をもたらし、活動内の多様性を向上させた。一方で、新しい概念の導入による参加者の混乱や行政組織内での理解不足といった課題も明らかとなった。長期的な視野に立ち、地域における停滞期などを見極めた上で活動を新概念で刷新することは、新鮮味を失ったまちづくりに新しい風を送り込み、新たな参加を獲得する方策としての可能性を持つものである。