講演情報

[29]岩手県釜石・大槌エリアにおけるコミュニティビジネスを通じた復興まちづくりの成果と可能性新しい東北モデル事業を事例として

○後藤 純1、矢島 里紗2、手塚 悠希1、似内 遼一3、新 雅史4 (1. 東海大学建築都市学部建築学科、2. 戸田建設株式会社、3. 東京大学大学院工学系研究科 、4. 流通科学大学)
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キーワード:

コミュニティビジネス、まちづくり、新しい東北モデル事業、東日本大震災

本研究は、岩手県釜石市・大槌町エリアにおける、住民主体による地域資源を活用したコミュニティビジネスに着目し、復興まちづくりとしての成果を明らかにし、地域に根ざした復興の可能性を考察することを目的とする。コミュニティビジネスを通じた復興まちづくりの成果については、地域資源の利活用、多様な人材活用や人材育成、外部団体との連携、活動拠点の形成の4点に着目して分析を行う。事例は、新しい東北モデル事業に選定されたプロジェクトの中から、住民主体のコミュニティビジネスである5件(4団体)を対象とした。研究の結果、発災直後の復興まちづくりは、防潮堤の整備、高台移転、災害公営住宅の建設と緊急性の高い基盤整備に、復興のリソース(資金や人材)が集中していた。一方で、本研究の調査によれば、住民主導のコミュニティビジネスが、ハード事業とは別の動きであるが、新しい東北モデル事業(主として補助金施策)により進められている。その成果は多く、仮設期の段階から地域資源を活用し人材を育て、外部とのネットワークを構築し、イベント等アウトリーチで地元を盛り上げて、コミュニティの拠点へと成長していることが分かった。