講演情報

[34]住民と専門家の境界領域にいる「ローカリスト」の沿線開発への参画とその課題学芸大学駅高架下をとりまく複数主体の語りから

○上原 祐輝1、後藤 春彦1、吉江 俊1、林 書嫻1 (1. 早稲田大学)
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キーワード:

ローカリスト、鉄道会社、高架下、意識変化

2021年から東急東横線学芸大学駅の高架下にて行われている「みんなでつくる学大高架下プロジェクト」には、「運営チーム」と「学大ローカルプロダクション」という2つの主体が参画している。本研究では現在進行中の学大PJを対象として、これに関わる運営チームとLPがどのように活動を行い周辺地域と関係性を築いているかをヒアリングを通して明らかにする。また、①特定の地域に根付きつつ、②都市計画とは異なるそれぞれの専門性を活かしながら都市や地域の計画に参画し、③ボランティアではなくそれによって報酬を得ている人びとのことを「ローカリスト(Localist)」と呼称する。学大PJは鉄道会社が中心となる事業ではあるが、多様な専門性や職能をもつ地元住民が各々の方法で計画に参画している点が特徴的である。本稿は彼らの活動の実態把握を通して、「ローカリストの参画による地域づくり」の可能性と課題を論じる。ローカリストの参画は、彼ら自身にとって地域に対する当事者性を高めることが確認された。一方で施設開業後にどのようにローカリストの関係性を維持するかが課題として挙げられた。