講演情報

[40]準DIDの空間特性の実態と計画立案における課題に関する研究

○丸岡 陽1、松川 寿也1 (1. 長岡技術科学大学)
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キーワード:

人口集中地区、準人口集中地区、人口密度、宅地化率

人口減少によるDIDの消滅が進む今日、準DIDはDIDを補完する役割が期待される一方、その実態はほとんど解明されていない。本研究では、準DIDの空間的実態及び土地利用計画立案における有用性と課題を明らかにすることを目的とする。全国の準DID385地区を類型化した結果、準DIDは多様な人口密度構造を持ち、その要因として形成過程、土地利用規制、場所的特性との関連が見られた。特に典型的な準DIDとして、市街化区域にある高密な住宅団地や、非線引き用途地域にある非常に低密度な旧DIDの拠点的地域が挙げられる。また、人口減少都市の準DIDの事例調査では、過去の市街化や制度運用の経緯によって土地利用実態が異なることを明らかにした。これらより、(1)準DIDは都市的地域の可視化の解像度向上に寄与し、国土管理等の点で有効と考えられること、(2)その一方で準DIDの境界線だけでは都市的地域と非都市的地域を明確に区分できず、政策的判断の直接的な根拠にはなり難いことを提示した。