講演情報
[50]帝都復興小公園の実現過程に関する研究告示時点と完成時点の比較分析
○中川 恵1、杉本 達宏2、中井 祐1 (1. 東京大学大学院工学系研究科、2. (株)三菱地所設計)
キーワード:
小公園、帝都復興事業、関東大震災、歴史
本研究は、帝都復興小公園事業において、各地の状況・条件を個別公園の詳細計画に落とし込む過程で、実務者が目指した理想の小公園はどの程度実現したのか、また計画内容は告示以降にどのように変化したのかを明らかにすることを目的とする。復興小公園の理想形は、面積条件(標準900坪、500、600~1000坪程度)、方位条件(小学校敷地の南、東/西、北)、隣接条件(一体型、道挟み型)の三要件に整理できる。告示時点の小公園位置を『大東京三千分一地図 区画整理明細地図』を用いて復元し、各小公園の三要件について告示時点と完成時点を比較した。その結果、告示以降の計画変更は、面積条件は維持/減少しており理想形から遠ざかる変更がなされている一方、方位条件は南あるいは東/西への変化、隣接条件は一体型への変化が多く、理想形に近づける変更が行われたことが分かった。