講演情報
[55]大正新教育実践校・成蹊学園による校地および周辺宅地開発−学園取得地(吉祥寺)の開発期(1919年〜1930年代)を対象として−
○玄田 悠大1、永野 真義1、中島 直人1 (1. 東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻)
キーワード:
学園町、大正新教育、成蹊学園、地域形成理念、環境保全
日本には、世界的な新教育運動の流れを汲む大正新教育運動の理念を実現するために教育機関自らが地域開発を主導した学園町があり、その一つに成蹊学園によって開発された地域がある。本研究は、大正期に成蹊学園が吉祥寺に取得した土地の校地および周辺宅地開発について、成蹊学園による地域形成理念、開発の実態及び両者の連関について調査・分析したものである。その結果、この成蹊学園取得地では、成蹊学園が持ちえた地域形成理念が、立地や校地、分譲地、関係者別荘地といった、実際に開発された各所に発現していることが分かった。一方で、取得した土地の領域と形成されたコミュニティの領域が必ずしも一致していないことが明らかになった。