講演情報
[56]東日本大震災後に創設された商業集積支援策が事業者の生業の継続にもたらす効果と課題宮城県女川町と南三陸町の商業集積施設に出店する事業者個人の長期的な生業の継続状況に着目して
○千葉 優美子1、益子 智之2、川原 晋3 (1. EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社、2. 早稲田大学社会科学総合学術院、3. 東京都立大学都市環境科学研究科)
キーワード:
商業集積、産業復興、生業、東日本大震災
本研究の目的は、商業集積施設に出店する事業者の生業の変化に着目し、商業集積支援策が各個人の生業の継続にもたらした効果と課題を明らかにすることである。飲食業及び小売業を営む事業者は当該施設への出店を契機とした積極的な生業の再構築を図っており、生業を継続させるために十分な事業環境を享受していると考えられる。他方、住民向けサービス業を営む事業者の一部に生業の継続が危ぶまれる状況が生じていることも明らかになった。以上を踏まえ、今後起こり得る自然災害後の適切な商業集積支援に向けて、被災有無や業種を問わない出店支援の継続や、当該施設への出店により生業の継続が危ぶまれる可能性のある事業者への支援の充実などの方策を提言した。