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[60]準景観地区制度による周辺環境の保全の実態と課題に関する研究沖縄県竹富島の事例を中心に

○麻生 美希1、西山 徳明2、八百板 季穂3 (1. 同志社女子大学生活科学部、2. 北海道大学観光学高等研究センター、3. 岡山理科大学工学部建築学科)
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キーワード:

景観法、文化的景観、開発規制、緑地保全、観光開発の規制

本稿は、主に沖縄県竹富島における準景観地区制度の導入事例から、この制度の活用状況と課題を明らかにすることを目的としている。同心円状に土地利用が展開する空間構造を有し、集落外にも歴史的・文化的要素が分布する竹富島では、伝統的建造物群保存地区選定当初より島全体の環境保全が行われてきた。その保全の法的拘束力を高めるべく準景観地区制度が導入され、集落外の自然景観・生産緑地としての景観の保全を実現するために、建築物の形態・意匠の制限だけでなく壁面の位置の制限、敷地面積の最低限度、木竹の保全若しくは適切な植栽が行われる土地の面積の最低限度が定められた。一方で、地域が求める周辺環境の保全と準景観地区による制限のギャップから、土地利用の秩序の維持や、地域との協議の場の構築に課題があることが明らかとなった。