講演情報
[61]京都市北嵯峨の田園景観保全を目的とした資源循環型事業の合意形成プロセス地域資源を活用した多主体協働のブランド米開発におけるメディエーターの役割
○渡邊 大郎1、山口 敬太2、谷川 陸2 (1. 京都市役所、2. 京都大学)
キーワード:
景観保全、地域協働、プロジェクト管理、循環型経済
本研究は、京都市北嵯峨の歴史的風土特別保全地区内における米のブランド開発過程において、多主体の協働による資源循環事業の合意形成プロセスについて、経緯の詳細とともに明らかにすることを目的とする。考察の結果、本事業に利害関係者が参画した背景や動機を探り、多主体協働を促進する上での様々なメディエーターの役割を明らかにした。則ち、地域の米ブランド化においてメディエーターは、1)事前協議を行った上での対話の場の設定・促進、2)コミュニティの意向を汲んだ早急な解決策の実施、3)専門家との事前協議による有機肥料の有効性検証、4)実施リスクの明確化と軽減策の提供、5)販路開拓と補助金獲得の促進などにおいて役割を果たし、外部関係者と地元農家を効果的に橋渡しし、地域コミュニティの参加を促進したことを示した。