講演情報
[64]地方都市における公共サインの情緒性を考慮したデザイン要件の検討茨城県常総市の屋外公共サインを対象として
○一ノ瀬 彩1、扇谷 匠2、高瀬 唯1、伊藤 雅一1、伊藤 哲司1 (1. 茨城大学、2. 遠藤克彦建築研究所)
キーワード:
公共サイン、情緒性、定型自由記述、共起ネットワーク、機能性
近年、地方都市では交流人口拡大や個性的で魅力あるまちづくりに向けて、公共サインの撤去・更新に取り組む自治体が増えている。サイン整備において「わかりやすさ」や「見つけやすさ」といった目的地までの移動円滑化に資する機能的な側面から、色彩や文字、盤面の大きさなどのデザイン要件の検討に加え、まちの魅力や景観に係る側面からも評価・検討していくことが重要である。本研究では、機能性以外にサインに感じる印象をサインの「情緒性」と定義し、定型自由記述による印象評価調査と共起ネットワークを用いてサインの印象とその特徴の関係から情緒性及び機能性との両面の観点からみた評価とデザイン要件の関係を分析・考察し、サイン整備における既存サインの課題抽出や新設サインの検討に寄与する知見の蓄積を試みる。調査の結果、公共サインにおいて情緒性に係る評価が得られることを確認した。情緒性を考慮する上で、規制サインが特に配慮すべきサイン種類であることが示された。また、サインの印象と特徴の関係から、情緒性の評価が向上するサインのデザイン要件や機能性に問題がないサインであっても情緒性に係る評価を低下させるデザイン要件を明らかにした。