講演情報
[65]市街地における中世古道の残存状況と沿道土地利用からみる景観の実態- 横浜市内の旧鎌倉街道を対象として -
○小崎 大耀1、野原 卓2、矢吹 剣一2、尹 莊植2 (1. 横浜国立大学大学院都市イノベーション学府、2. 横浜国立大学大学院 都市イノベーション研究院 准教授)
キーワード:
街路景観、中世古道、残存状況、土地利用、地域の歴史資源
横浜市の中でも資料を入手できた泉区と金沢区の市街地に残る、中世の古道である旧鎌倉街道について、その街路景観の特徴や市街化状況など実態を明らかにした。
本研究では、まず現代ではどのように変容しているか、「継承」「変形」「消失」の観点から街路形状を確認したうえで、沿道環境の空間的様相及び市街化状況について、①沿道土地利用、②歴史資源の有無、③地形(土地の区画形質)の改変状況などを基に、実態を明らかにした。そして、これらの実態を複合的に分析することで、街路景観をタイプに分類し、それぞれの特徴やその残存状況について考察した。
結果としては、特徴別に9タイプの景観に分類でき、そのタイプの中には、宅地改変や地形改変が行われ現代的な市街地の様相を持つものが多く存在する一方、沿道で古集落や雑木林、農地、古い寺社が連続して残っていることで、過去の景観が継承されていると感じられる区間も、全体の3割程度残っていることがわかった。これらの結果から、今後の街路景観のあり方を考える際には、街路そのものだけでなく沿道土地利用や沿道空間とともに保全継承を考えることの必要性が明らかとなった。
本研究では、まず現代ではどのように変容しているか、「継承」「変形」「消失」の観点から街路形状を確認したうえで、沿道環境の空間的様相及び市街化状況について、①沿道土地利用、②歴史資源の有無、③地形(土地の区画形質)の改変状況などを基に、実態を明らかにした。そして、これらの実態を複合的に分析することで、街路景観をタイプに分類し、それぞれの特徴やその残存状況について考察した。
結果としては、特徴別に9タイプの景観に分類でき、そのタイプの中には、宅地改変や地形改変が行われ現代的な市街地の様相を持つものが多く存在する一方、沿道で古集落や雑木林、農地、古い寺社が連続して残っていることで、過去の景観が継承されていると感じられる区間も、全体の3割程度残っていることがわかった。これらの結果から、今後の街路景観のあり方を考える際には、街路そのものだけでなく沿道土地利用や沿道空間とともに保全継承を考えることの必要性が明らかとなった。