講演情報

[68]奈良県宇陀市室生集落における地形の生み出す景観特性に関する研究

○須崎 心一1、嘉名 光市2、高木 悠里2 (1. 東京都建設局、2. 大阪公立大学大学院工学研究科)
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キーワード:

景観、地形、囲繞、眺望、室生集落

自然基盤である地形の生み出す景観は、集落の地域資源となり得る。本研究は特徴的な地形により聖地の景観として取り上げられる奈良県宇陀市の室生集落を対象とし、景観の囲繞性・眺望性についての定量的分析を経て、この2つの側面から室生集落の景観特性の解明を試みた。具体的には、可視領域の分布や仰角・俯角に基づく定量的指標による視点場ごとの囲繞性の分析と、眺望性について視対象に対する仰角・俯角の算出,可視領域を含めた分析を行った。結果として、視点場の地形状況ごとに囲繞性の傾向や集落空間の信仰対象の眺望における視覚的な際立ち方が異なることを説明することができた。本研究は囲繞性の強い主要観光施設内に限らない集落の斜面地全域からみる眺望景観の可能性、および各視点場の囲繞性と眺望性のバランスに焦点をあてた景観特性の把握の必要性を示した。