講演情報

[69]東京内湾における祭礼の場としての水際空間の変容に親水空間の整備計画が与えた影響

○唐木田 耕大1、永野 真義2、青木 公隆2、中島 直人2 (1. 前 東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻、2. 東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

親水空間、都市祭礼、ランドスケープデザイン、ウォーターフロント、東京湾

本研究の目的は、都市における祭礼の場としての水際空間(祭礼–水際空間)に、親水空間の整備計画が与えた影響を明らかにすることである。東京内湾沿岸の水際空間における祭礼の記録を調査し、このうち親水整備後に祭礼が実施されている、神奈川県横浜市富岡八幡宮の祇園舟と東京都中央区住吉神社の大祭について、親水整備計画における祭礼の位置づけと、祭礼および水際空間の変化を調査した。結果、祭礼の形式を空間的に保存しようとする親水整備計画の計画者と、祭礼の継続のために祭礼を柔軟に変化させる担い手との乖離が課題であることを明らかにした。今後は、水面へのアクセス性・地域の人々が使い方を見出す余地(偶有的祭礼–水際空間)と地域の人々によって維持管理される領域(場所的祭礼–水際空間)を含む、祭礼の動態的継承の時間軸に対応した計画が求められる。